カンパニー・フィリップ・ジャンティ『忘れな草』

歌・ダンス・マイムのマジカルな世界

 「舞台の魔術師」と称されるフィリップ・ジャンティが主宰するカンパニー・フィリップ・ジャンティ。文楽に学んだ人形をはじめ、演劇、ダンス、マイム、マジックなどの技法を駆使したユニークな舞台は世界中で愛され、昨年には創立40年を迎えた。日本では1988年以来、来日を重ねており、この秋、14回目の日本公演として『忘れな草』を上演する。ソリに乗った“思い出収集人”が吹雪の大草原を駆け抜けたかと思うと、やがて舞台上には、幼年期・思春期・熟年期といった人生の様々な景色が展開する…。この作品は93年に日本初演されているが、今回、ノルウェーの俳優達が登場し、北極の大平原での歌という要素を盛り込むなど、リニューアルして贈る。ハイテクノロジーを用いず、身体と、紙や布といった身近な素材で、ファンタジックにしてユーモラスな世界を繰り広げる同カンパニー。その舞台には、表現の尽きせぬ魅力・可能性を見ることができるだろう。
文:高橋彩子
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)

(C)Claire Marie Leroux
(C)Claire Marie Leroux

10/16(木)〜10/26(日) パルコ劇場
問:パルコ劇場03-3477-5858 
http://www.parco-play.com 
※全国公演については上記ウェブサイトでご確認下さい。