伊藤万桜 ヴァイオリンリサイタル2023 with 五十嵐薫子

活躍目覚ましい俊英が奏でるロマン派の名作ソナタ

 ソリスト、室内楽奏者として多岐にわたる活動を展開するヴァイオリニストの伊藤万桜。2021年はソロでデビューアルバム『Flessibile』、22年は、陬波花梨(サクソフォン)、黒岩航紀(ピアノ)とのトリオで配信限定アルバム『夢の色彩』をリリースするなど、目覚ましい活躍を見せる彼女が、サン=サーンスにブラームスなど、ロマン派の名曲を集めたリサイタルを行う。

 ピアニストには先日ジュネーヴ国際音楽コンクールで第3位入賞を果たした五十嵐薫子を迎え、技術、表現共に高度なものを求められる作品を演奏する。確かな技術を持つ二人は、音色の透明感と多彩な表現も持ち味。幅広い内容のプログラムでその表現力を活かして聴衆を魅了することだろう。とりわけ伊藤が「永遠の探求テーマ」と語るブラームスによるヴァイオリン・ソナタ第2番は、あたたかく親密な雰囲気が流れる作品。親交が深く、共演回数も多い二人のアンサンブルはその魅力を存分に引き出してくれるはずだ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2023年1月号より)

2023.2/25(土)14:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:MIグループ03-6913-3401 
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