メルビッシュ湖上音楽祭 ガラコンサート

ヨーロッパを代表するオペレッタ・フェスティバルのエッセンス

 オーストリアとハンガリーの国境に広がるノイジトラー湖のほとり、メルビッシュで開催される湖上音楽祭は、およそ半世紀の歴史を誇る、ヨーロッパを代表するオペレッタフェスティバル。湖をわたる夜風に吹かれながら、湖上に設けられた舞台で上演されるオペレッタを見物するのは、ヴァカンスの季節の極上の贅沢だ。3,600平方メートルの広さを誇る舞台ではスペクタクルな演出が繰り広げられ、ウィーンのフォルクスオーパーなどで活躍するオペレッタ界のトップスターが出演する。終演後には花火が打ち上げられるなどサービス精神も満点で、世界各地から毎夏20万人を超える人々が訪れる、人気の音楽祭である。
 このメルビッシュ湖上音楽祭が、初の外国への引っ越し公演となるガラ・コンサートを日本で行うことになった。《こうもり》や《メリー・ウィドウ》など定番の人気オペレッタのハイライトがバレエつきで楽しめるのに加え、「ワルツ王」ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツも演奏される盛りだくさんの内容だ。オペレッタの巨匠ルドルフ・ビーブル指揮するメルビッシュ祝祭管弦楽団をバックに、音楽監督もつとめる才色兼備のソプラノ、ダグマー・シェレンベルガーをはじめ、イーヴァ・シェル(ソプラノ)、アレクサンドル・バデア(テノール)らスター達が練達の芸で魅せる。プロフェッショナルなナビゲーターもつくから、プログラムと首っ引きになることなく、リラックスして楽しめそうだ。メルビッシュの夏の夜風の余韻を、この秋、東京で。
文:加藤浩子
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年9月号から)

9/29(月)13:30(休憩なし80分公演)/19:00 すみだトリフォニーホール
9/30(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
10/3(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
10/4(土)15:00 瀬戸市文化センター文化ホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677 
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