華麗なる“レジェンド”の至芸
オーボエのハインツ・ホリガーと、フルートのサー・ジェームズ・ゴールウェイ。それぞれの楽器における、まさしく“レジェンド”だ。奇しくも同じ1939年生まれで、今年めでたく75歳を迎えるが、腕前はいまも世界のトップクラス。このふたりが相次いで『スーパー・ソリスト meets 新日本フィル』シリーズに登場し、至芸を披露する。
まず、9月にはホリガー。この人はオーボエ奏者としてだけでなく、作曲でも指揮でも活躍している。現代では珍しい、多方面に才能を発揮する“音楽家”なのだ。今回は3つの顔を、いっぺんに見せてくれる。ハイドンの協奏曲では独奏者、ナンセンスな作風で知られるモルゲンシュテルンの詩による歌曲では作曲家、そしてマーラーの交響曲では指揮者。ひとりの優れたアーティストがどのようにそれぞれの顔を見せるのか、そこにはどんな違いと類似があるのかを確かめる、絶好の機会だ。
続いて、翌月はゴールウェイ。「黄金のフルートをもつ男」と呼ばれる、豊麗な響きをもつ現代最高のフルート奏者。ベルリン・フィル在籍時代には、帝王カラヤンが篤い信頼を寄せたことでも名高い。今回は自ら指揮も行ない、まずはモーツァルトの協奏曲で幕を開け、後半は夫人のレディ・ジニー・ゴールウェイとの美しいフルート・デュオも交えて、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の音楽や、ゴールウェイの十八番の聴かせどころを集めた「ゴールウェイ・フェア」など。楽しいナンバーで、存分にその音色を堪能しよう。
文:山崎浩太郎
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年9月号から)
ハインツ・ホリガー 9/19(金)19:00
ジェームズ・ゴールウェイ 10/19(日)19:00
すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212
http://www.triphony.com