横浜音祭り2022 ついに開幕!!

「街に広がる音プロジェクト」神奈川フィルハーモニー管弦楽団(2019)
写真提供:横浜アーツフェスティバル実行委員会

 横浜の街を舞台に繰り広げられる3年に一度の音楽フェスティバル「横浜音祭り」が9月17日に開幕した。“みらいに響け みんなの音楽”をスローガンに、年齢や国境、障がいの有無などに関わらず、すべての人々が参加できることを目指した音楽祭。11月6日までの51日間、多種多様な約300のプログラムが開催される。

開幕当日をレポート

 開幕当日の9月17日、市内各所のオープンスペースで行われるステージ「街に広がる音プロジェクト」に、ゲストアーティストが登場した。会場は、買い物客や観光客で賑わうみなとみらいの商業施設・ランドマークプラザ1Fのイベントスペース「サカタのタネ ガーデンスクエア」。指揮者のオカピをはじめ、動物に扮した演奏者たちによる金管五重奏「ズーラシアンブラス」が、クラシックの名曲やジブリ作品を披露した。

華麗なソロを披露したドゥクラングール(トランペット)
お調子者のスマトラトラ(トロンボーン)

 吹き抜けになった会場では、家族連れなどがステージの近くで演奏を楽しみ、階上の回廊ではふと足を止めて演奏に聴き入る観客も。この日のステージでは、出演メンバーや楽器の紹介があり、観客からのリクエスト曲やダンスを盛り込んだ演奏など、子どもやクラシック初心者も楽しめる工夫が盛りだくさん。ソーシャルディスタンスを保ちつつ、広々とした空間で思いおもいにステージを楽しむことができるのもこのプログラムの魅力だ。時には動物たちのコミカルな動きに手拍子や笑いが起こり、約30分間のステージはあっという間に終了。迫力満点の演奏に大きな拍手が贈られていた。

みんなで一緒にダンス

 ゲストアーティストの後は、約400組の応募者から選ばれた「公募アーティスト」によるステージが続いた。この日は、ゴスペル、弦楽四重奏、ジャズなどのグループが登場し、会場を盛り上げていた。

階上にもよく響く吹き抜けのステージ
YCCゴスペルラヴァーズ

充実の公演ラインナップを一挙紹介

 この観覧無料で楽しむことができる「街に広がる音プロジェクト」は、11月まで、みなとみらい地区をはじめとする市内の様々な会場で週末ごとに開催される。クラシック・ポップス・ロック・ジャズなど、バラエティに富んだジャンルの公募アーティストが参加するほか、ゲストアーティストには「神奈川フィルハーモニー管弦楽団(指揮:阿部未来)」(10/23)、coba(11/5)など、豪華なアーティストが登場予定。

「街に広がる音プロジェクト」ゲストアーティスト(一部)
上段左より:福間洸太朗(c)Marc Bouhiron〈*公演終了〉、
レ・フレール、LEO(箏)、海野幹雄(ハマのJACK)
中段左より:阿部未来(c)RINZO、神奈川フィル、松井理史(ハマのJACK)、橘和美優(同)
下段左より:Japan National Orchestra(c)Kenryou Gu、
coba、村松龍(ハマのJACK)、山田友里恵(同)
分身ロボットOriHime®。開幕日の会場にて。

 そのほかにも、音楽祭の期間中は様々なプログラムが実施される。国内外で活躍するアーティストの公演、市内各区の文化施設で行われるオリジナル企画「横浜18区コンサート」、横浜ならではの「パイプオルガンと横浜の街2022」など、多彩なラインナップ。また、閉幕までの期間限定で、クイーンズスクエア横浜B1Fイベントスペースにストリートピアノが設置されており、プロ・アマ問わず誰でも演奏が可能。そして、来場が難しい人もロボットの遠隔操作を使って演奏を楽しむことができる「OriHime®プロジェクト」など、あらゆる人が音楽を楽しめるプログラムが用意されている。

左上より:千住真理子(c)Kiyotaka Saito(SCOPE)〈*公演終了〉、
トルヴェール・クヮルテット&小柳美奈子(c)島崎信一
左下より:反田恭平&Japan National Orchestra、
成田達輝(c)Marco Borggreve、萩原麻未(c)Akira Muto

 また、市内の主要コンサートホールでは、音楽祭との協力事業が展開されている。10月にリニューアルオープンする横浜みなとみらいホールでは、沼尻竜典指揮神奈川フィルの公演(10/29)を皮切りに、リニューアル記念事業を開催。神奈川県民ホールでは今秋、フィリップ・グラスの現代オペラ《浜辺のアインシュタイン》が日本で30年ぶりに上演される。神奈川県立音楽堂では、2020年にコロナ禍で公演中止となっていたヘンデル《シッラ》の、待望の日本初演が実現する。
 臨海部のコンサートホールなど、フェスティバルの会場に足を運ぶことで、“横浜”という街の魅力も再発見できるにちがいない。

主要公演一覧

須川展也プロデュース
トルヴェール・クヮルテット with 横浜市消防音楽隊

10/1(土)15:00 関内ホール
*プレコンサート(14:15~14:45)
0さいからのこんさーと
10/14(金)11:00/13:00 みどりアートパーク(横浜市緑区民文化センター)ホール
横浜音祭り2022クロージングコンサート
反田恭平&Japan National Orchestra

11/6(日)15:00 横浜みなとみらいホール【予定枚数終了】
横浜18区コンサート
各回15:00
◎石田泰尚(ヴァイオリン)× 津田裕也(ピアノ)
10/3(月)鶴見区/鶴見区民文化センター サルビアホール
10/4(火)瀬谷区/瀬谷区民文化センター予定枚数終了】
10/5(水)戸塚区/戸塚公会堂
◎藤木大地(カウンターテナー)&みなとみらいクインテット
10/17(月)磯子区/磯子区民文化センター 杉田劇場
10/18(火)西区/神奈川県立音楽堂
◎横浜シンフォニエッタ メンバー(クラリネット&ピアノ五重奏)
10/19(水)泉区/泉区民文化センター テアトルフォンテ


街に広がる音プロジェクト
ゲストアーティスト登場ステージ
レ・フレール(斎藤守也・斎藤圭土)
10/2(日)13:00 ランドマークプラザ 1F サカタのタネ ガーデンスクエア
加藤礼愛(カトレア)
10/16(土)16:30 クイーンズスクエア横浜 1F クイーンズサークル
唐津健(Vc)
10/22(土)13:00 ランドマークプラザ 1F サカタのタネ ガーデンスクエア
ハマのJACK
10/22(土)13:30 資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)
LEO(箏)
10/22(土)15:30 資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)
神奈川フィルハーモニー管弦楽団(指揮:阿部未来)
10/23(日)13:00/15:00 ランドマークプラザ 1F サカタのタネ ガーデンスクエア
DRAMATIC WORKS
10/29(土)13:00 クイーンズスクエア横浜 1F クイーンズサークル
Japan National Orchestra
10/30(日)12:00 クイーンズスクエア横浜 1F クイーンズサークル
横浜市消防音楽隊
10/30(日)15:40 クイーンズスクエア横浜 1F クイーンズサークル
style-3!
11/5(土)16:40 JR桜木町駅前広場
coba
11/5(土)13:00 クイーンズスクエア横浜 1F クイーンズサークル

横浜音祭り2022
2022.9/17(土)〜11/6(日) 横浜市内全域〈横浜の“街”そのものが舞台〉

問:横浜音祭りチケットセンター045-453-5080
※公演の最新情報は、公式ウェブサイトをご確認ください。