アーリドラーテ歌劇団 第3回公演《リゴレット》

ヴェルディの壮絶な人間ドラマに迫る

 新興のオペラ・カンパニー「アーリドラーテ歌劇団」はヴェルディ作品の上演を目的としたオペラ団体で、すでに2011年《ラ・トラヴィアータ》、2013年《仮面舞踏会》を上演している。団体名のアーリドラーテ(ali dorate)は「金の翼」の意味で、言うまでもなく《ナブッコ》の有名な合唱〈行けわが思い、金色の翼に乗って〉に由来するイタリア語だ。9月にはその第3回公演が行なわれる。演目はヴェルディ中期の傑作《リゴレット》(字幕付き原語上演)。
 公演監督(前回公演まではミュージカル・アドバイザー)を藤原歌劇団団員のテノール・小山陽二郎が務めているように、出演歌手は藤原歌劇団所属の実力派が中心。今回も、二枚目バリトン須藤慎吾(6日リゴレット)、日本を代表するプリマの一人・高橋薫子(6日ジルダ)、前述の小山陽二郎(6日マントヴァ)、若手テノール三浦義孝(7日マントヴァ)、小田桐貴樹(両日スパラフチーレ)、向野由美子(6日マッダレーナ)、丸尾有香(7日マッダレーナ)など、藤原勢が主要キャストの核となっている。また、7日のリゴレット役の横山弘泰やジルダ役の山﨑陶子など、さまざまな経歴の若手歌手たちも出演する。指揮は団体の主宰者で弁護士としても活動している山島達夫。管弦楽は在京アマチュアオケの奏者らを、コンサートマスターのプロ奏者・池澤卓朗がまとめる。スマートな演出で高評価の木澤譲の舞台づくりにも期待が募る。さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが「ヴェルディ」の旗印の下に集結した公演だ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)

9/6(土)18:00、9/7(日)14:00 昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
問:アーリドラーテ歌劇団 080-3247-5480 
http://www.ali-dorate.net