ショパン・コンクールの主催者であるフレデリク・ショパン研究所が、入賞者に限らず優れたコンテスタントの演奏をリリースする「Blue Series」より、2021年第4位、小林愛実のコンクール・ライブ音源が登場。全ステージから、小品2曲を除くほとんどの演奏を収録。なかでも、深く沈んだショパンの心に迫るように始まる「幻想ポロネーズ」、感情を放出するようなバラード第2番や、人間の気持ちの揺らぎを生き生きと再現する「24の前奏曲」は、何度も聴き返したくなる。小林にさらなる国際的キャリアをもたらした大舞台の、研ぎ澄まされた空気が収められている。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2022年9月号より)
【information】
CD『第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ/小林愛実』
ショパン:ノクターン第14番、練習曲 op.25-11「木枯らし」、スケルツォ第4番、4つのマズルカ op.30、24の前奏曲、幻想ポロネーズ、バラード第2番、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、ピアノ協奏曲第1番
小林愛実(ピアノ)
アンドレイ・ボレイコ(指揮)
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
収録:2021年10月、ワルシャワ(ライブ)
Narodowy Instytut Fryderyka Chopina/東京エムプラス
ONIFCCD 647-648(2枚組) ¥4400(税込)