TOKYO JAZZ 2022 NEO-SYMPHONIC! CINEMA JAZZ

話題の歌姫も登場! 挾間美帆の指揮で愉しむ映画音楽とジャズ

 大袈裟ではなく、これは事件だ。ジャズ作曲家の挾間美帆が3年前からプロデュースしているシンフォニック・ジャズのシリーズ(ガーシュウィンやバーンスタインの系譜に位置する魅力的なオーケストラ作品をプログラミング!)が今年は特別に、日本を代表するジャズフェスティバル「TOKYO JAZZ」と融合する。挾間の指揮する東京フィルと、今をときめくジャズの若きスタープレイヤーたちが共演するというだけでも胸が高鳴るが、一部の楽曲では細田守監督のアニメ映画『竜とそばかすの姫』で主人公を歌い演じた中村佳穂が特別参戦! ポップス系の日本人若手歌手でいまもっとも上手いと大評判の歌姫が、前述の映画の主題歌「U」や、映画史に残る傑作ミュージカルにして“トラウマ映画”としても名高い『ダンサー・イン・ザ・ダーク』からビョークの「I’ve Seen It All」を披露するというのだから聴き逃がせない。

 ほかには、2月に公開された新たな映画が話題となった『ウエスト・サイド・ストーリー』から定番の「シンフォニック・ダンス」を、ニューヨークで最先端のジャズに携わる挾間がどう指揮するのかも楽しみだ。昨年、黒人作曲家として初めてメトロポリタン歌劇場でオペラが上演されたテレンス・ブランチャードや、今年のグラミー賞で「アルバム・オブ・ザ・イヤー」を含む5部門を受賞して話題をかっさらった天才ジョン・バティステの楽曲も取り上げるので、アメリカ音楽の最新動向を体感できる貴重な機会にもなるはずだ。
文:小室敬幸
(ぶらあぼ2022年8月号より)

2022.8/19(金)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296 
https://tokyo-jazz.com