横浜みなとみらいホール 10月21日にリニューアルオープン！
2022年度事業ラインナップを発表

更新日 2022年7月14日
投稿日 2022年7月13日
著者 nakashima
カテゴリー NEWS

アルゲリッチ＆海老彰子ら豪華アーティストの公演が目白押し
「ときめく音楽」を横浜から発信

　大規模改修工事のために休館中の横浜みなとみらいホールが、2022年10月21日にリニューアルオープンを迎える。7月12日に開催された記者発表会では、今後のラインナップの紹介や本年度事業内容の説明が行われた。登壇者は、同ホール館長の新井鷗子、プロデューサー（2021-23）の藤木大地（カウンターテナー）、第2代ホールオルガニストの近藤岳、総支配人の西澤洋、チーフプロデューサーの菊地健一の5名。

左より：菊地健一、八塩圭子（司会）、藤木大地、新井鷗子、近藤岳、西澤洋（c）藤本史昭

　本年度の注目公演は、まず「マルタ・アルゲリッチ＆海老彰子デュオ・リサイタル」（11/17）。横浜市招待国際ピアノ演奏会の第40回記念特別公演として開催される。同ホールでアルゲリッチによる2台ピアノの演奏会が開催されるのは初めてとのこと。そして、神奈川フィルの首席ソロ・コンサートマスター石田泰尚らによる「石田組年末感謝祭」（12/31）や「クリスマス・パイプオルガン・コンサート」（12/21）などが開催されるほか、ホールのパイプオルガン「Lucy（ルーシー）」の演奏を気軽に楽しめるオルガン・シリーズ、1999年から続く「Just Composed 2023 in Yokohama ー現代作曲家シリーズー」など、人気企画もホールに戻ってくる。
　リニューアル記念のコンサートも、幕開け公演となる「沼尻竜典指揮神奈川フィルハーモニー管弦楽団」（10/29）、気鋭の作曲家挾間美帆の委嘱作品を初演する「ヨコハマ・ポップス・オーケストラ2022」（10/30）など充実のラインナップ。

　同ホールは、コロナ禍と重なった休館中にも、動画コンテンツを制作＆配信する「横浜WEBステージ」や、市内18区の文化施設を舞台とする「横浜18区コンサート」など、“持続可能なコンサートホール”として独自の企画を展開してきた。新井館長は会見で、「目まぐるしく変化する社会情勢の中でも、『地元に愛されるホール』として素敵な音楽を届けること、物理的・気持ち的な両方の面で、バリアフリーでアクセシブルなホールを目指します」と語った。
　今回の改修では、5階までだったエレベーターの工事が行われ、6階小ホールまで車イスでも直接行けるようになるなど、バリアフリー対策を強化。また、開館以来初めてのオーバーホールが行われたパイプオルガンについて近藤は、「レジストレーションの個数を増やし、整音作業をしているところ。大掛かりな掃除や部品の交換も行ったので、これから新しく整った音色のルーシーに会えるのが楽しみ」とのこと。近藤は「オルガン・リサイタル・シリーズ46」（11/25）などに登場予定。

　藤木は、プロデューサーとしての“ミッション”について「二つの柱を決めました。ひとつは、横浜みなとみらいホールと日本各地の劇場、公演の主催者やアーティスト、音楽事務所など事業者とのコラボレーション。二つめは、教育機関とのタイアップによる『音楽職業人』の育成」と紹介。
　前者の活動としては、実力派アーティストとの共演によるピアノ五重奏「藤木大地＆みなとみらいクインテット」を結成し、各地のホールをめぐる予定。横浜みなとみらいホールの存在を周知するとともに、提携する各地の劇場も盛り上がる企画となりそうだ。同編成の公演は、秋の横浜音祭り「横浜18区コンサート」、2月には横浜みなとみらいホール小ホールの公演で聴くことができる。
　後者は、藤木が客員教授を務める洗足学園音楽大学の学生たちが、プロのアドバイスを受けながらオリジナルの公演を企画するプロジェクトで、コンサート制作の現場への理解を深めるとともに、キャリア形成や人脈づくりにも繋げる実践的な取り組みが行われている。そのほか、藤木と人気ピアニスト反田恭平、務川慧悟（3人とも日本音楽コンクールで同年に優勝）との公演、「うた」に特化した企画など、来年度も藤木プロデューサーのオリジナル企画が続く予定。
　発展し続けるホールのリニューアルオープンに期待が高まる。