ミュージック・アソシエイトにキンボー・イシイ、コンサートマスターに對馬佳祐が就任

富士山静岡交響楽団が10月23日、2027-2028シーズン(27年4月〜28年2月)の定期演奏会のラインナップを発表した。同楽団は、静岡県内唯一の常設プロオーケストラ。首席指揮者・高関健が自ら「演奏力の向上は目覚ましい」と語るように、近年着実に演奏水準を高め、その存在感を増している。
新シーズンは、ブラームスの交響曲全4曲を柱とする5演目9公演が予定されている。4月の開幕を飾るのは、日本でもおなじみのユベール・スダーン。ザルツブルク・モーツァルテウム管の首席指揮者を長年務めたモーツァルト演奏のスペシャリストが、交響曲第40番、第41番「ジュピター」などを取り上げる。ピリオド奏法を意識した、しなやかで精緻な演奏が期待できそうだ。
6月には、新たにミュージック・アソシエイトに就任することが発表されたキンボー・イシイが指揮。ドイツの歌劇場で音楽総監督を務めるなど国際的に活躍し、日本でも幅広く活動するイシイが、ブラームスの交響曲第2番を披露する。2027年11月の第13回浜松国際ピアノコンクールで審査委員長を務める予定の児玉桃を迎えるピアノ協奏曲第2番も、聴き応えのあるものとなりそうだ。
9月には、静響と共演を重ねてきた尾高忠明が、ブラームスの交響曲第1番をメインに、没後200年のベートーヴェンの交響曲第2番を取り上げる。前シーズンも「田園」「運命」を指揮して好評を博した尾高。両作曲家の作品に長年取り組んできた円熟のマエストロが、若きベートーヴェンの躍動感と、ブラームスの重厚な響きや深い抒情を、豊かな歌心とスケールの大きな音楽づくりで聴かせてくれそうだ。
2018年のミュージック・アドヴァイザー就任から10年目を迎える首席指揮者・高関健は、シーズン終盤の2演目3公演を担当し、ブラームスの交響曲全曲ツィクルスを締めくくる。11月には、辻彩奈を独奏に迎えるヴァイオリン協奏曲と交響曲第4番を静岡と東京で披露。28年2月には、阪田知樹とピアノ協奏曲第1番で共演し、交響曲第3番を指揮する。スコアの緻密な読みと堅固な構成力を持ち味とする高関だけに、第4番の精妙な構築美や、第3番の抒情と激情の対比をどのように聴かせるか興味深い。長年培ってきた静響との緊密なアンサンブルにも期待が高まる。

5演目のうち4演目で取り上げられるブラームス作品は、交響曲全4曲に加え、2曲のピアノ協奏曲とヴァイオリン協奏曲の計7曲。没後130年の節目に、シーズンを通してその管弦楽作品の魅力を味わえる構成となっている。今年11月にも東京特別公演が予定されているが、新シーズンも11月の第144回定期で東京公演が行われる。
ラインナップの発表に合わせて、新体制も明らかになった。前述の通り、キンボー・イシイがミュージック・アソシエイトに就任。また、これまでゲストコンサートマスターやソリストとして静響と共演してきたヴァイオリニストの對馬佳祐(つしま・けいすけ)が、27年4月からコンサートマスターを務める。現代音楽の分野でも存在感を発揮し、藝大フィルハーモニア管のコンサートマスターとしても活躍する對馬が、楽団にどのような新風を吹き込むかにも注目したい。

富士山静岡交響楽団
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