unit-Cyan『シアンの孤独』

 肩書きがすごい2人である。日本唯一のレジデンス・ダンスカンパニーnoismの芸術監督である金森穣と、その副芸術監督である井関佐和子。が、そんな肩書きを全て置き去り、「ただの2人のダンサー」として、そして現実の夫婦である一組の男女として出会い、踊る。それがユニット・シアン(unit-Cyan)である。
 これまでも『シアンの告白』『シアンの家』の2つを発表しており、今回が3作目になる。ときにストレートに互いに対する愛情が描かれることもあったが、深い信頼の眼差しはやがて2人の関係を越えて、観客一人ひとりに寄り添うような舞台が紡がれていった。
 …ただ今回のタイトルに「孤独」とあるのは気になるところだ。「気まぐれな見巧者(観客)の視線に晒されながら」「人は多くの他者と共に生きて」いる、とのことだが、どうやら従来とはまた違った展開になりそうである。美術&衣裳に現代美術で活躍する中嶋佑一、写真家・映像作家の遠藤龍とのコラボレーションも期待される。
文:乗越たかお
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年7月号から)

2013年8月「シアンの家」高松公演より(C)studio K
2013年8月「シアンの家」高松公演より(C)studio K

8/24(日)15:00 高知県立美術館ホール
問:高知県立美術館 088-866-8000 
http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~museum

8/31(日)14:30 サンポートホール高松 第1小ホール
問:サンポートホール高松プレイガイド 087-825-5008 
http://www.sunport-hall.jp