北九州市立響ホール 2022年度ラインナップの聴きどころ

若手からレジェンドまで話題のアーティストが続々と集う

 北九州市立響ホールは、クラシック音楽に最適な720席の音空間が魅力。2022年度も、柱となる「リサイタルシリーズ」「ワンコインコンサート」の2つのシリーズを中心に、充実のラインナップが用意されている。

 「リサイタルシリーズ」は、国内外の一流演奏家による本格的な公演。21年ショパン・コンクール4位入賞後さらに輝きを増す小林愛実(ピアノ)(6/25)、活躍顕著な俊才・辻彩奈(ヴァイオリン)&阪田知樹(ピアノ)(7/24)、両楽器の代表格・古部賢一(オーボエ)&鈴木大介(ギター)(11/27)、21年ショパン・コンクール2位入賞後の活動も熱い反田恭平(ピアノ)&19年ロン=ティボー=クレスパン・コンクール2位入賞の実力者・務川慧悟(ピアノ)(23.1/21)、そして大御所が居並ぶ、原田幸一郎(ヴァイオリン)、池田菊衛(ヴァイオリン)、磯村和英(ヴィオラ)、毛利伯郎(チェロ)、練木繁夫(ピアノ)の五重奏(3/11)が続き、話題性十分の名手たちが密度の濃い演奏を展開する。特に最後のピアノ五重奏は、元・東京クヮルテットの3人が揃った稀有の公演。レジェンドたちによる熟達のアンサンブルは、全国のファンの垂涎の的となる。

 「ワンコインコンサート」は、入場料500円で聴ける平日昼間の45分間公演。こちらは幅広い聴衆が気軽に親しめる。出演者は、長哲也(ファゴット)(22.8/10)、谷口英治(クラリネット)(12/15)、奥井紫麻(ピアノ)(23.2/28)ら多士済々。なかでも、北九州のミュージシャンとスペシャルセッションを行う谷口や、都響首席奏者・長が地元で仲間と奏でる公演は、ここだけの好企画だ。

 その他にも、多様な聴衆にリーチする、カジュアルな公演が並ぶ。テレビ等でお馴染みの曲を聴かせる加古隆クァルテット(22.5/29)のほか、子ども連れでも気兼ねなく楽しめる「0才からの音楽会」(6/19)、「0才からの親子で楽しむクラシックコンサート」(23.2/18)が行われる。

 また秋には恒例の「北九州国際音楽祭」が同ホールを主会場に開催され、庄司紗矢香(ヴァイオリン)等の世界的音楽家や、例年中核を担う地元出身の篠崎史紀のほか、豪華な顔ぶれが集結する。

 今年度は、小林愛実、阪田知樹、反田恭平、務川慧悟、奥井紫麻(北九州国際音楽祭でも谷昂登、岡田奏など)と、今をときめく若手ピアニストたちが勢揃いする点が大きな特徴。彼らの聴き比べも面白そうだ。さらに、長哲也、谷口英治(北九州国際音楽祭でも篠崎史紀、谷昂登など)と、第一線で活躍する北九州市出身の演奏家が続々登場するのも、同ホールならではの魅力だろう。

 来年の開館30周年に向けて盛り上がりをみせる響ホールに、ぜひ足を運んでみたい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2022年6月号より)

問:北九州市立響ホール093-663-6661 
https://www.hibiki-hall.jp
※各公演、発売日の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。