今年の草津はシュトラウス三昧
古くから温泉地として知られる群馬・草津を舞台に、若手演奏家を養成する場として1980年にスタート、地元の人や訪問客も共に楽しめるようにコンサートも併せて行うようになった『草津夏期国際アカデミー&フェスティヴァル』。35回目となる今夏も、お馴染みのパノハ弦楽四重奏団やヴァイオリンのウェルナー・ヒンク、クラリネットのペーター・シュミードルら名手が指導やステージに力を注ぎ、小さな町は湯けむりと音楽の響きに包まれる。
コンサートのプログラミングは、特に生誕150年のR.シュトラウスがひとつの核に。オープニング(8/17)では、ポーランドの名匠アントニ・ヴィットが振る群馬交響楽団が登場し、トーマス・インデアミューレをソロに迎えてのオーボエ協奏曲のほか、ドヴォルザークの交響曲第7番や、「花の章」「アダージェット」とマーラーの交響曲からの楽章を添える。また、ピアノのクリストファー・ヒンターフーバーは、シュトラウス若書きのロ短調ソナタにラヴェル「ラ・ヴァルス」、マーラー「ピアノ四重奏曲」断章を併せて披露(8/18)。そして、ヒンクを中心にしたドレスデンゆかりのシュトラウスとヴィヴァルディの室内楽(8/27)や、インデアミューレもシュトラウスの管楽器作品を特集(8/28)する。クロージング・コンサート(8/30)には、パノハ弦楽四重奏団やサシコ・ガヴリロフ、シュミードル、ヒンターフーバーら豪華な顔ぶれが一堂に会し、シュトラウスのピアノ四重奏曲や「メタモルフォーゼン」(七重奏版)、モーツァルトのクラリネット五重奏曲などを聴かせる。温泉と名曲を堪能できる贅沢な2週間となりそうだ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)
8/17(日)〜8/30(土) 草津音楽の森国際コンサートホール
問:草津アカデミー・チケットサービス 0120-949-932/0279-88-7236
http://kusa2.jp