『睡眠 ーSleepー』

 パリ・オペラ座のエトワールとして15年以上活躍してきたオーレリー・デュポン。2015年には定年でのオペラ座引退が決まっているがこの夏、勅使川原三郎の日本での新作『睡眠 ーSleepー』に出演する。デュポンといえば、古典でもコンテンポラリー・ダンスでも、独特の輝きと存在感を放つことで知られるバレリーナ。3月にはパリ・オペラ座来日公演でノイマイヤー振付『椿姫』のヒロインを踊ったことは記憶に新しい。勅使川原作品には昨年、パリ・オペラ座からの委嘱作『闇は黒い馬を隠す』で初出演し、流動的・有機的で、空気の質感そのものを捕らえ直すような独特の動きに挑んだ。今回は勅使川原、佐東利穂子らとの共演により、さらに深化した表現に期待がかかる。一方の勅使川原は国内外での精力的な活動に加え、昨年、創作スペースKARAS APPARATUS(カラス アパラタス)という拠点も得て、益々の充実ぶりを見せている。成熟した表現者である彼らの新たな挑戦から目が離せそうにない。
文:高橋彩子
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年7月号から)

8/14(木)〜8/17(日) 東京芸術劇場プレイハウス 
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http://www.geigeki.jp
8/21(木) 19:00 愛知県芸術劇場 
問:愛知芸術文化センター 052-972-0430
8/23(土) 18:00 兵庫県立芸術文化センター 
問:芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255