イオン・マリン(指揮) 東京交響楽団

東響定期初登場のマエストロが贈る壮大なロシア・プロ

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 東京交響楽団の第700回定期演奏会に登場するのはイオン・マリン。日本のオーケストラをたびたび指揮する名指揮者だが、東響定期には今回が初登場となる。マリンはルーマニア出身。亡命してオーストリア国籍を取得し、ウィーンを拠点に国際的な活動をくりひろげている。アバド時代のウィーン国立歌劇場を支え、さらにベルリン・フィルやロンドン響など世界の主要オーケストラの指揮台にも立ち、オペラとコンサートの両輪で豊富な実績を誇る。

 そんなマリンが東響との共演にあたって用意したのは、チャイコフスキーの交響曲第4番とストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」(1910年版)を組み合わせたロシア・プログラム。どちらの曲もコンサートのメイン・プログラムになっておかしくないハイカロリーな選曲だ。

 チャイコフスキーの交響曲第4番はこの作曲家にとっての「運命交響曲」。苦悩から勝利へ、暗から明へと至る力強いドラマが描かれる。マリンは音楽の持つドラマを強調するためにときには大胆な表現も辞さないタイプの指揮者だと思うが、はたしてこの曲ではどんな解釈を披露してくれるだろうか。また、各地のオーケストラでとりあげてきたストラヴィンスキーの「火の鳥」は、マリンにとって勝負曲のようなレパートリー。大編成が要求されるオリジナルの1910年版だけあって、壮麗で色彩的なサウンドを期待できそうだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2022年5月号より)

第700回 定期演奏会 
2022.6/25(土)18:00 サントリーホール
問:TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511
https://tokyosymphony.jp