いつか『ミウラのもとで学びたい』と言われるような存在になりたい
文化庁長官表彰(国際芸術部門)の表彰式が文化庁で行われ、三浦謙司(ピアノ)に、4月19日、都倉俊一長官より表彰状と賞牌が贈呈された。この表彰は、国際的に評価の高い賞を受賞、または国際コンクール等において優れた成果を収めるなど芸術分野において海外で活躍した個人に対して授与される。昨年12月に佐藤晴真(チェロ)と岡本誠司(ヴァイオリン)、今年3月に髙木日向子(作曲)と上野通明(チェロ)の表彰式が行われた。
三浦は1993年、神戸出身。13歳で単身渡英、ロンドン王立音楽院やベルリン芸術大学にて研鑽を積み、現在はハンス・アイスラー音楽大学に在学。2019年のロン・ティボー・クレスパン国際コンクールでの優勝が大きな話題となった、ヨーロッパでの評価も高い若手ピアニストの一人。
表彰後の懇談では、ベルリンを拠点とする三浦と、高校時代をベルリンで過ごした都倉長官がベルリン話に話を咲かせる場面も見られた。
今回の受賞について、三浦は以下のようにコメント。
「小さい頃に日本を離れているので、大人になってから日本でこのような栄誉ある賞をいただけたことをとても嬉しく思っています。ロン・ティボーの後、長くコロナ禍が続きましたが、自分にとっては大事な時間がとれました。大きなコンクールを終えたタイミングでいったん落ち着いて、これからどう歩んでいこうか長い目で考え、成長することができたと思います」
三浦は、この一年ほどは“原点”に戻り、「大好きで仕方がない」というバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの作品に取り組んでいる。来年にかけて、オーソドックスなレパートリーと向き合い、そこからさらに広げていけたらと意気込む。
また、今後の大きな目標は、本場ヨーロッパでトップの音楽大学の教授になること。「今は、日本人がヨーロッパに渡って現地の先生から学ぶのが主流ですが、いつか各国のピアニストを志す若者から『ミウラのもとで学びたい』と言われるような存在になりたい」と展望を語った。
〈文化庁長官表彰(国際芸術部門) 表彰者〉
上野通明(チェロ)
岡本誠司(ヴァイオリン)
佐藤晴真(チェロ)
髙木日向子(作曲)
三浦謙司(ピアノ)
文化庁長官表彰(国際芸術部門)
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