J:COM浦安音楽ホール 開館5周年記念公演 仲道郁代 ピアノ・リサイタル

節目の年に贈る豪華プログラムはベートーヴェンとショパンを中心に

(c)Kiyotaka Saito

 J:COM浦安音楽ホールは、JR新浦安駅から徒歩1分という立地にある、クラシック音楽のための本格的なコンサートホールだ。2017年4月の開館から、まもなく5周年を迎える。ホールはスタインウェイ(D274)とヤマハ(CFX)という最高峰のフルコンサートグランドピアノ2台を常設しているが、この2台の楽器を選定したのがピアニスト仲道郁代である。複数台の楽器の中から、300席のホールの特性にぴったりなピアノを入念に選び抜き、開館時には「ピアノ開きコンサート」と題してスタインウェイの素晴らしい音色を響き渡らせた。

 その仲道が、5月に「開館5周年記念公演」として同ホールでリサイタルを行う。使用するのは「ピアノ開き」のワークショップでも使用したヤマハである。楽器とは、使用され、愛されることで、生き物のように変化してゆく。仲道自身によって丁寧に選定された楽器が、この5年でどのように成長・変化を遂げたのか、あらためてじっくりと耳にすることができる機会だ。仲道といえば、鍵盤楽器の歴史や構造への想いが深く、ピリオド楽器とモダン楽器とを自在に行き来して演奏するピアニスト。そんな彼女だからこそ、ホールに馴染み始めたピアノの魅力を、一層引き出すことができるだろう。

 曲目はベートーヴェンの「月光」「テンペスト」、ショパンのバラード第1番や幻想即興曲など。ホール・楽器・奏者の三者が生み出す美しい時間をゆったりと過ごしたい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2022年4月号より)

2022.5/14(土)14:00 J:COM浦安音楽ホール コンサートホール【予定枚数終了】
問:J:COM浦安音楽ホール047-382-3035

https://www.urayasu-concerthall.jp