【CD】メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調、J.S.バッハ: シャコンヌ/廣津留すみれ&デア・リング東京オーケストラ

 近年のテレビ出演と唯一無二の経歴で知られる、廣津留すみれのデビュー盤。急な代役出演から実現した公演と録音のおかげで、やっと本格的に聴けた彼女のヴァイオリン、実にまっすぐでピュアな音。自分を良く見せようといった邪念は欠片もない。そこにジュリアード首席も納得の技巧が加わり、共演者や聴衆も惹きつけられてしまう存在感も伝わる。メンデルスゾーンは特殊な配置の管弦楽との交歓が美しく、室内楽のような手作り感にも好感。バッハの清新な歌による構築にも心洗われる。彼女の実演を体験したくなるし、いずれやむにやまれぬ表現が滲み出てくるときも楽しみだ。
文:林昌英
(ぶらあぼ2022年4月号より)

【information】
CD『メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調、J.S.バッハ: シャコンヌ/廣津留すみれ&デア・リング東京オーケストラ』

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調/J.S.バッハ:シャコンヌ

廣津留すみれ(ヴァイオリン/指揮)
デア・リング東京オーケストラ

収録:2021年9月、所沢市民文化センター
ミューズ アークホール(ライブ) 他
N&F
NF29601 ¥オープンプライス