ハルトムート・ヘンヒェン(指揮) 読売日本交響楽団

すべてがドイツの王道

ハルトムート・ヘンヒェン(C)Elisabeth Heinemann

ハルトムート・ヘンヒェン(C)Elisabeth Heinemann

 フランス人シェフ、カンブルランの精緻な彫琢によって、アンサンブルにますます磨きがかかる読響だが、一方で変わらぬ彼らの特徴は、重厚かつスケール感のあるドイツ的な響き。1943年ドレスデン生まれの巨匠ハルトムート・ヘンヒェンが登場する7月は、その持ち味を存分に堪能できる。
 ヘンヒェンは、バイロイト音楽祭やカラヤンのもとで研鑽を積み、ネーデルラント・フィルの首席指揮者やネーデルラント・オペラの音楽監督等を歴任。ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管や、ドレスデン国立歌劇場、英国ロイヤル・オペラ等にも客演を重ねている。日本では、メンデルスゾーン「エリア」やベートーヴェン「第九」ほか、紀尾井シンフォニエッタの重要な公演を再三受け持ち、2009年新国立劇場のベルク《ヴォツェック》でも絶賛を博しているので、すでにおなじみの方も多いだろう。
 今回、ショスタコーヴィチやシューベルトの交響曲をメインにした公演など4回指揮する点に期待の高さがうかがえるが、中でも注目はシューベルト&ブラームスの王道プログラム(7/8,7/9)。ブラームス「悲劇的序曲」にシューベルト「未完成」交響曲、そしてブラームスの交響曲第1番が並ぶ、重厚でハイカロリーな演目を、本場の名匠のタクトで耳にする機会は、今や貴重でもある。前記の「第九」における、強固でいて随所に清新さを感じさせた解釈や、オペラ指揮者らしいドラマティックな表現力からも期待大。読響の好調なサウンドと相まって、腹応えのあるドイツ音楽の真髄をたっぷりと味わえる。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2014年6月号から)

第9回 読響メトロポリタン・シリーズ
★7月8日(火)・東京芸術劇場コンサートホール
第573回 サントリーホール名曲シリーズ
★7月9日(水)・サントリーホール

他公演 
7/15(火)・サントリーホール
(ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」/ショスタコーヴィチ:交響曲第8番)
7/20(日)・東京芸術劇場コンサートホール
(ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番/共演:ポール・ルイス/シューベルト:交響曲第8番「グレイト」他)
問:読響チケットセンター0570-00-4390 
http://yomikyo.or.jp