東京オペラシティ B→C 徳永真一郎(ギター)

研ぎ澄まされた指先が紡ぎ出す繊細かつ壮大な響き

(c)Tohru Yuasa

 ストラスブール、パリでの約10年の留学生活を経て、2017年に帰国後、次代を担うギター奏者として注目を集める徳永真一郎。すでに様々な演奏活動を展開している俊英が、満を持してB→Cに登場する。

 右手のタッチの角度や音の嗜好の変化など、留学で得たものは大きいと語る徳永のプログラミングには、随所にこだわりがある。バッハで取り上げるのは、彼の作品でも珍しいダ・カーポつきのフーガが中心の「前奏曲、フーガとアレグロ」BWV998、無伴奏チェロ組曲第5番の作曲家自身による編曲版「リュート組曲」BWV995。すでに古典と言える武満徹の「森のなかで」、ギターを打楽器のように扱うシェルシの「コタ」から第1曲など、楽しみな選曲だ。ミュライユの「テリュール」は、フラメンコギターの奏法から着想を得て、音とノイズによる壮大な響きを実現した一曲。さらに友人でもある坂田直樹に新作を委嘱。坂田とはパリ国立高等音楽院在籍時から彼の新作初演などを通じて交流があったという。徳永の個性を活かした新作になるというから、期待大だ。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2022年2月号より)

2022.2/11(金・祝)14:00 徳島/シビックセンター さくらホール
問:シビックセンター088-626-0408
https://www.civic-center.jp

2/15(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 
https://www.operacity.jp