年の初めに相応しい新しき才能の競演
東京文化会館で毎夏開催されている「東京音楽コンクール」。2021年は6月末から8月末にかけて「第19回」が開催され、木管、声楽、弦楽の3つの部門が実施された。その優勝者&最高位入賞者のコンサートが来る1月10日に同館でひらかれ、若く優れた才能を披露する。司会進行は元・テレビ朝日アナウンサーの朝岡聡。
木管部門で第2位(最高位)に入賞したクラリネットの亀居優斗は、東京藝術大学卒業後、東京佼成ウインドオーケストラのメンバーとして活躍中。このコンサートでは、20世紀イギリスの作曲家フィンジのクラリネット協奏曲でその卓越した音楽性をアピール。
声楽部門第1位はソプラノの梶田真未。梶田は東京藝術大学卒業後、桐朋学園大学大学院の修士課程で学んでいる。プッチーニ《トスカ》より〈歌に生き、愛に生き〉、ドヴォルザーク《ルサルカ》より〈月に寄せる歌〉、ワーグナー《タンホイザー》より〈厳かなこの広間よ〉と、イタリア語、チェコ語、ドイツ語という異なる言語の名アリアに挑戦、実力を披露する。
弦楽部門第1位のヴァイオリンの福田麻子は、東京音楽大学大学院の博士課程に在籍中。第18回の同コンクールで第3位に入賞している。18年には日本音楽コンクールに第3位入賞を果たすなど入賞歴は華やかだ。今回、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾き、名曲中の名曲で実力の真価を示す。
バックを務めるのは下野竜也指揮の読売日本交響楽団。日本の音楽界を牽引するマエストロと日本のトップクラスのオーケストラが、3人の若き音楽家たちをサポートする。
文:山田治生
(ぶらあぼ2022年1月号より)
2022.1/10(月・祝)15:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
https://www.t-bunka.jp