2022 小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト XVIII 出演者発表

3年ぶりの開催! 京都・東京・横須賀で《こうもり》を上演

 小澤征爾音楽監督のもと、オペラの上演を通じて若い音楽家を育成することを目指し、ロームシアター京都を舞台に実施されてきた教育プロジェクト「小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト」の2022年の出演者など詳細が、12月2日発表された。2020年、21年とパンデミックの影響により開催中止となっていたが、3年ぶりの上演を目指す。

ディエゴ・マテウス (c) Carlos Vargas
デイヴィッド・ニース

 演目は《こうもり》。サイトウ・キネン・オーケストラなど第一線で活躍する国内外のアーティストが講師を務め、オーディションで選ばれた若い演奏家たちを指導し、綿密なリハーサルを重ねて本番のステージに臨む。タクトを執るのは、サイトウ・キネン・オーケストラも4回振った経験をもつベネズエラ出身のディエゴ・マテウス。ベルリン・ドイツ・オペラ、フェニーチェ歌劇場などオペラハウスでの経験も豊富で、小澤塾長からの信頼も厚いマテウスだけに日本でのオペラ初登壇に期待が高まる。演出は、メトロポリタン歌劇場で長年活躍し、当プロジェクトでもお馴染みのデイヴィッド・ニース。アイゼンシュタイン役のアドリアン・エレートをはじめ、エリー・ディーン(ロザリンデ)、アナ・クリスティー(アデーレ)、エミリー・フォンズ(オルロフスキー公)など海外からも歌手陣が集結し、華やかなステージが繰り広げられる。小澤との親交もあるという俳優のイッセー尾形が看守フロッシュ役を務めるのも話題となりそうだ。

 3月上旬から始まる東京、京都でのリハーサルを経て、京都(2公演)、東京、横須賀で計4公演が予定されている。また、ロームシアター京都では、恒例の「子どものためのオペラ」(小学生対象)上演も実施される。

小澤征爾音楽塾 塾長・音楽監督 小澤征爾よりメッセージ

(c) Shintaro Shiratori

 2020年3月に予定していた「こうもり」が中止を余儀なくされたのは、新型コロナウィルス感染症が世界的に拡大し始めた頃――そして今シーズン、ようやく小澤征爾音楽塾のオペラが戻ってきます。
 今回の小澤征爾音楽塾は2016年に大好評だった「こうもり」を再び取り上げます。塾生がオペラを勉強するにはもってこいの演目で、前回と同じくNYメトロポリタン歌劇場のプロダクションを使用します。アイゼンシュタインはじめ主要キャストが戻ってきてくれて、デイヴィッド・ニース演出の楽しく豪華な舞台が帰ってきます。今回は国外(中国、台湾、韓国)から塾生を呼ぶことは断念しましたが、その一方で国内でのオーディションで選ばれた若い音楽家たちで、小澤征爾音楽塾オーケストラを結成します。
 2000年にローム株式会社の佐藤研一郎社長(当時)のご支援で「小澤征爾音楽塾」を立ち上げて以来、オペラの制作と公演を通じて、私が最も信頼を寄せるサイトウ・キネン・オーケストラメンバーでもある先生方とともに、オーディションで選ばれた若い音楽家たちへの教育を続けて20年以上になります。彼らが、先生方の指導のもと、世界の第一線で活躍する歌手や演出家と一緒に、一つのオペラ作品を創り上げていくことは、音楽家としての一生を左右するような深くて大きな経験になります。
 そして、できる限りの感染症対策を講じて、今年も京都府内の小学生たちを招待して、子どもたちに生のオペラを楽しんでもらいたいと思っています。
 教育プロジェクトであると同時に、世界一流の歌手・プロダクションを同時に体感することが出来る、世界的にも他に類を見ないこのプロジェクト、是非いらしてみてください。そこで創られるオペラは、音楽の喜びとエネルギーに満ちあふれています。

(小澤征爾音楽塾ウェブサイトより転載)

イッセー尾形さんからのメッセージ

 「成人の日コンサート」というのがありまして、小澤征爾さんの舞台にかつて立ったことがあります。立つだけじゃなくタクトを気持ちよく振ってると管楽器がいつまでも音を続けっぱなし。小澤さんが舞台袖から飛んできて「ほらあの人、顔がもう真っ赤だよ」と慌てて指揮交代で事なきを得た、という強烈なおかつ楽しい思い出があります。

 フロッシュはオモチャ箱というイメージがありまして、ひっくり返せば返すほど憎めないほがらかさが楽しめると思います。ですから今度は真っ赤な顔になるまでタクトを注目する番ですね。言ってみれば(笑)。

(小澤征爾音楽塾ウェブサイトより転載)

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXVIII
J.シュトラウスII世:喜歌劇「こうもり」
[全3幕]原語(ドイツ語)上演/字幕付



音楽監督:小澤 征爾
指揮:ディエゴ・マテウス
演出:デイヴィッド・ニース
装置:ギュンター・シュナイダー=シームセン
衣裳:ピーター・J・ホール
照明:高沢 立生
振付:マーカス・バグラー
管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ 
合唱:小澤征爾音楽塾合唱団
バレエ:東京シティ・バレエ団

ロザリンデ:エリー・ディーン
ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン:
アドリアン・エレート
アデーレ:アナ・クリスティー
アルフレート:ジョン・テシエ
オルロフスキー公:エミリー・フォンズ
ファルケ博士:エリオット・マドア
フランク:デール・トラヴィス
ブリント博士:ジャン=ポール・フーシェクール
イーダ:栗林 瑛利子
フロッシュ:イッセー尾形

2022.3/18(金)18:30 ロームシアター京都 メインホール
3/20(日)15:00 ロームシアター京都 メインホール
3/24(木)15:00 東京文化会館 大ホール
3/27(日)15:00 よこすか芸術劇場

チケット発売:2022.1/22(土)

問 ヴェローザ・ジャパン 03-6411-5445
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