2021年秋、上野星矢がサントリーホールで魅せる! 「Classic Bar ~in Blue Rose vol.8」&「The Sixth Sense ~Music in Wonderland~」

 2014年10月にスタートした「Classic Bar ~in Blue Rose」は、クラシックのコンサートホールとして数々の名演を繰り広げてきたサントリーホールの「ブルーローズ(小ホール)」において、 アーティストをごく間近にしながら音楽を愉しむだけでなく、「お酒と音楽のマリアージュ」をコンセプトに、飲み物や軽食(オードブル)を交えながら洗練された大人のための優雅なひとときを提供してきた。

 ブルーローズは室内楽などに向いている小ホールで、その名が示すように、入口の扉の斜め右上には、本物のバラを思わせる須田悦弘氏による木彫りの美術作品「青いバラ」が飾られている。こうした調度品なども愛でながら、ホール全体の魅力を楽しむのも心が豊かになるのではないだろうか。

 第8回は10月29日(金)、30日(土)の2日間、2年ぶりの開催となる。このシリーズは2部構成で、第1部は毎回お酒にまつわるトークライブが行われている。これまでウイスキー、ワイン、カクテル、シャンパンなどがテーマを変えて登場し、それぞれのお酒のスペシャリストによる多種多様なエピソードを交えたトークライブが好評で、客席と一体となった親密なトークを聴衆が集中して聴いている様子が印象的だった。今回は、サントリー・ウイスキーアンバサダーの佐々木太一氏が出演し、ウイスキーの最新事情、より味わい深くウイスキーを愉しむ秘訣などを紹介する。

 そして登場するのは、世界初、サントリーの自社蒸留所で作られた「世界5大ウイスキー」の原酒をブレンドし、2019年に匠の技で完成させたサントリーワールドウイスキー「碧Ao」である。これは「調和」をベースとしながら、それぞれの原酒の個性を活かし重ね合わせるという、新たなアプローチによって誕生した「ブレンド」で、多様性に満ちたウイスキーになっているという。その魅力を佐々木氏が絶妙のトークで展開する。

上野星矢

 第2部はリサイタル&トークというコーナーで、29日は上野星矢(フルート)、岡田奏(ピアノ)、川島麻実子が演奏とバレエを披露する。上野星矢は「100年に1人の逸材」と称されるフルートの世界的な名手。その演奏はジャンルの壁を越え、さまざまな作品を自身の感性に従い、自然で自由で創造的な音楽として奏でる。大のウイスキー党という彼のトークも興味津々だ。そしてピアノの岡田奏も国内外で活躍する実力派。川島麻実子はいまもっとも期待されるバレリーナで、ヨーロッパの劇場で主役や重要な役を担っている。

 プログラムはボリングの「センチメンタル」、ドビュッシーの「シランクス」「月の光」、ビゼー=上野星矢/内門卓也編の「カルメン幻想曲」が組まれ、音楽とバレエによって五感が存分に刺激される選曲となっている。

 30日のアーティストは歌手活動のみならず、作詞、訳詞、執筆、演出など多彩な活動を展開している宮本益光(バリトン)と、声楽家との共演では定評のある髙田恵子(ピアノ)が出演。ヘンデル、フォーレ、シューマン、ヴォルフ、モーツァルト、ビゼーをはじめ日本の歌も披露し、その美声を遺憾なく発揮する。

 なお、今回はよりよい響きを求めてホールの座席レイアウトに変更を加え、聴衆はテイスティングやオードブルを愉しむスタイルに代り、第1部で紹介されるサントリーワールドウイスキー「碧Ao」のハーフボトルと碧Ao特製グラスをセットにしたクラシックバーオリジナルキットを持ち帰ることになっている。

サントリーワールドウイスキー「碧Ao」
クラシックバーオリジナルキット

若手スターたちが、“第六感”を刺激する華やかなステージを披露

 そして上野星矢にはこの秋、もうひとつ注目の公演がある。「Classic Bar」に続く11月21日、今度はサントリーホールの大ホールにおいて、若手実力派の演奏家6人が出演する「The Sixth Sense ~Music in Wonderland~」が開催される。 「The Sixth Sense」は、フルートの上野をはじめオーケストラの首席奏者やソリストとして活躍し、キャリアを重ねる金子亜未(オーボエ)、西川智也(クラリネット)、長哲也(ファゴット)、濵地宗(ホルン)、岡田奏(ピアノ)によって結成されたスター六重奏団。今年3月にサントリーホール大ホールで結成特別公演が行われ、鮮烈なパフォーマンスを披露してセンセーションを巻き起こしたことは記憶に新しい。上野星矢の鮮やかなテクニックと自由闊達で超絶技巧をものともしない自然体の音楽とともに、全員が演奏テクニックを誇り、さらに華やかなオーラを放っている。こうした若手のアーティストが一丸となって発信する演奏は、これからプロを目指したいという未来の音楽家たちをも惹きつけてやまない。

The Sixth Sense

 今回は鮮やかで色彩豊かな演奏とともに朗読(ナレーション)やバレエ(川島麻実子、渡辺理恵、ブラウリオ・アルバレス、高橋慈生、演出・振付:高橋竜太)を織り交ぜ、プロコフィエフの「ピーターと狼」(バレエ、朗読付き)、ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調 第2楽章(バレエ付き)、 「マ・メール・ロワ」、 ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」というプログラムが組まれている。まさに心が高揚するひとときが生まれそうだ。
文:伊熊よし子

●Classic Bar ~in Blue Rose vol.8 全4公演
サントリーホール ブルーローズ

2021.10/29(金)2公演 13:00開演、19:00開演 
*19時の回はライブ配信あり。
*未成年者入場不可。

第1部:トークライブ 佐々木太一(サントリー・ウイスキーアンバサダー)
第2部:リサイタル&トーク
上野星矢(フルート)、岡田奏(ピアノ)、川島麻実子(バレエ)

2021.10/30(土)2公演 13:00開演、19:00開演
第1部:トークライブ 佐々木太一(サントリー・ウイスキーアンバサダー)
第2部:リサイタル&トーク
宮本益光(バリトン)、髙田恵子(ピアノ)
https://www.fujitv.co.jp/events/classic-bar/

●The Sixth Sense ~ Music in Wonderland~
2021.11/21(日)14:00 サントリーホール 大ホール

出演: The Sixth Sense(六重奏)
上野星矢(フルート)、金子亜未(オーボエ)、西川智也(クラリネット)、長哲也(ファゴット)、濵地宗(ホルン)、岡田奏(ピアノ)
バレエ:川島麻実子、渡辺理恵、高橋慈生/バレエ・演出・振付:ブラウリオ・アルバレス/演出・振付:高橋竜太
https://www.fujitv.co.jp/events/concert/sixth-sense/