【SACD】カンティレーヌ/広田智之&大萩康司

 名人たちが、自分たちの時間を楽しんでいるかのよう。日本を代表する名手、オーボエ広田智之とギター大萩康司の交歓の様子は、聴く者の表情を緩ませてくれる。“お気楽”ではなく、緻密な表現による“和み”という、匠の技だ。楽器の音量差はあるはずだが、丁寧な録音で両者の長所と好相性ぶりが際立つ。18世紀のサンマルティーニ作品から、繊細なフレージング、落ち着いて伸びやかな美音が心地よい。シューマンの名品とコストのオリジナル3作では、19世紀の優しいロマンに浸れる。その後に流れる20世紀初頭のラヴェル小品、ギターが奏でる物憂いハバネラのインパクト!
文:林 昌英
(ぶらあぼ2021年10月号より)

【information】
SACD『カンティレーヌ/広田智之&大萩康司』

サンマルティーニ(大萩康司編):ソナタ ト長調/モーツァルト(ソル編):歌劇《ドン・ジョヴァンニ》よりアリア〈ぶってよ、マゼット〉/シューマン(大萩編):3つのロマンス/コスト:慰め—オーボエとギターのためのロマンス、悔悟—オーボエとギターのためのカンティレーヌ/ラヴェル:ハバネラ形式の小品 他

広田智之(オーボエ)
大萩康司(ギター)

妙音舎
MYCL-00008 ¥3520(税込)