【CD】ヴィオッティからメンデルスゾーンへ ヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾの世界 Vol.1/島根恵

 

 「ヴァイオリン音楽発展の歴史を感じていただけるプログラム」と演奏者の島根恵がライナーで語るように、そのコンセプトと優れた演奏内容によってこの楽器のファンは必聴だ。特に注目すべきは有名なヴィオッティの第22番の協奏曲(ピアノ伴奏版)に盛り込まれた島根によるオリジナルな装飾(非常に効果的!)、およびあまねく有名なメンデルスゾーンの協奏曲(同)。1845年に出版された際に初演者のダヴィッドによって付けられた音を出しやすいボウイングを是正すべく、作曲家自身が考えたアーティキュレーションを採用した演奏だ。上記作曲家ゆかりの珍しい併録小品も愛らしさの極み。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2021年8月号より)

【information】
CD『ヴィオッティからメンデルスゾーンへ ヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾの世界 Vol.1/島根恵

ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番/メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調、歌の翼に/ダヴィッド:ノクターン ヘ長調/ヨアヒム:アンダンティーノ イ短調/シューマン:私は暗い夢の中に立っていた/バイヨ:アンダンテ ニ短調

島根恵(ヴァイオリン)
碓井俊樹(ピアノ)
島根朋史(チェロ)

コジマ録音
ALCD-9221 ¥3080(税込)