パリ・オペラ座は、現音楽監督のフィリップ・ジョルダンの後任に、グスターボ・ドゥダメル Gustavo Dudamel が就任すると発表した。任期は今年8月1日から6年間。
ドゥダメルは、1981年ベネズエラ・バルキシメト生まれの40歳。情熱あふれる指揮で、中堅世代では最も人気のある指揮者のひとり。ベネズエラの音楽教育プログラム「エル・システマ」で学び、わずか18歳でシモン・ボリバル・ユース・オーケストラの音楽監督に就任。2004年、第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール優勝し、国際的に注目を集めた。エーテボリ交響楽団 首席指揮者などを経て、2009年からはロサンゼルス・フィルハーモニック音楽・芸術監督を務めている。2017年にウィーン・フィルのニューイヤーコンサートに史上最年少となる35歳で登場し、話題を呼んだのも記憶に新しい。今年3月には、ロサンゼルス・フィルとのCD『アイヴズ:交響曲全集』(ドイツ・グラモフォン)が、第63回グラミー賞のBest Orchestral Performance賞を受賞した。
オペラの分野では、ミラノ・スカラ座、ロサンゼルス・オペラなど世界各地の歌劇場で30以上のプロダクションを振っている。パリ・オペラ座には2017年、《ラ・ボエーム》でデビュー。モーツァルトからジョン・アダムズやオリヴァー・ナッセンなどの現代オペラまでレパートリは幅広い。
2017年、スペインの著名な女優マリア・バルベルデと結婚。母国の政治的混乱も影響し、現在はスペイン国籍を取得している。
これまでに、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラやミラノ・スカラ座、ウィーン・フィルとともに来日。今年7月にも、東京・名古屋・堺・福岡でマーラー・チェンバー・オーケストラとの公演が予定されている。