国際音楽祭NIPPON 2020 リモート記者会見

諏訪内晶子
写真提供:ジャパン・アーツ

 ヴァイオリニストの諏訪内晶子が芸術監督を務める「国際音楽祭NIPPON 2020」が2月9日〜16日にかけて開催される。これに先立ち、1月15日にリモート記者会見が行われ、諏訪内、ジャパン・アーツ代表取締役社長の二瓶純一、同取締役の山田亮子が登壇した。

 2020年2月〜3月に開催される予定だった同音楽祭は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い3月の公演が中止・延期となった。21年は、昨年予定されていたプログラムの一部が、東京・愛知・岩手で開催される。なお、海外からの入国制限のため、出演が予定されていたヴァイオリンのテディ・パパヴラミとチェロのアンリ・ドゥマルケットに代わり、米元響子と辻本玲が出演する。コロナ禍での音楽祭開催のため、オンライン配信や感染症対策など万全の態勢で実施される。

左より:二瓶純一(ジャパン・アーツ 代表取締役社長)、諏訪内晶子、山田亮子(同 取締役)
写真提供:ジャパン・アーツ

 プログラムは室内楽中心の4企画5公演。東京の紀尾井ホールでは「諏訪内晶子 室内楽プロジェクト」と題し、諏訪内が米元(ヴァイオリン)、鈴木康浩(ヴィオラ)、 辻本(チェロ)、阪田知樹(ピアノ)らと共演。2公演が実施される。2月15日の「Akiko Plays CLASSIC with Friends」は、J.S.バッハのシャコンヌやドヴォルザークのピアノ五重奏曲第2番など、“クラシック”をテーマにしたプログラム。2月16日の「Akiko Plays MODERN with Friends」では、“モダン”をテーマに、スティーヴ・ライヒの「ヴァイオリン・フェイズ」や川上統の新作「オトヒメエビ」(世界初演)など現代曲を披露。東京公演はオンライン配信も予定されている。

 そして、愛知県の徳川美術館とトヨタ産業技術記念館ではミュージアム・コンサート(2/14)、岩手県の釜石市民ホール TETTOでは東日本大震災復興応援コンサート(2/13)が開催されるほか、釜石でのアウトリーチや、諏訪内らが講師を務めるヴァイオリンのマスタークラスも計画されている。

 会見の席で諏訪内は「世界的なパンデミックの中で、音楽祭を開催し、演奏できることを本当に有り難く思っている」と述べ、「継続しないと見えてこないことがある。例えば釜石の小中学校でのアウトリーチ。生徒たちは希望を持ちながら未来に向かっている。希望を持ち続け、音楽祭とともに歩き続けていきたい。続けることに意義があると思う」と、開催への意欲を語った。

国際音楽祭NIPPON 2020
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