気鋭の実力者たちが集う新しい室内楽シリーズがスタート
近年すっかり若返りを遂げたN響。ソリストとしても聴きたい名手たちが各パートをリードしているが、そんな実力者たちがHakuju Hallを舞台に『N響チェンバー・ソロイスツ』と銘打った新シリーズを立ち上げる。演奏会ごとにテーマを決め、それに沿って中堅から若手の奏者が柔軟にアンサンブルを組む。より機動的な形態で幅広いレパートリーにチャレンジする意欲的な企画だ。
第1回は「フランス音楽の花園」。フランスでは19世紀末から20世紀にかけてあまたの傑作器楽曲が生まれた。室内楽も例外ではなく、知られざる名曲がたくさんある。今回はラヴェル(「序奏とアレグロ」、「マ・メール・ロワ」室内楽版)、ドビュッシー(「牧神の午後への前奏曲」室内楽版)に加え、多作家で知られるミヨーがコントラバスを加えた弦楽器のために書いた五重奏曲第2番、洒脱な作風で知られるフランセの「ファゴットと弦楽のためのディヴェルティスマン」が取り上げられる。大宮臨太郎や福川伸陽ら実力充分のメンバーが、フランス音楽の香り、格調を満喫させてくれる。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2021年2月号より)
2021.4/6(火)19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp