カルテット・アマービレ BRAHMS Plus〈II〉

躍進を続ける若手実力派4人の熱いステージで味わう室内楽の妙

左より:笹沼 樹、中 恵菜、篠原悠那、北田千尋
C)T.Tairadate

 2015年に桐朋学園の学生たちが結成、16年ARDミュンヘン国際音楽コンクール入賞、19年ニューヨークのヤングコンサートアーティスト国際オーディション第1位など、昇竜の勢いで躍進しているのがカルテット・アマービレだ。昨年からはHakuju Hallでブラームスの室内楽曲をメインとするシリーズをスタートさせた。曲によってベテランが加わるところにシリーズの人選の妙味があるが、今回ブラームスのピアノ五重奏曲で共演するのは、ピアノ界の大御所・清水和音。がっしりとした構築力、艶やかな音色に、アマービレがどう反応していくのか注目したい。

 冒頭のモーツァルト「狩」(弦楽四重奏曲第17番)では、4人の闊達な掛け合いが楽しめるほか、今をときめく世界的作曲家・藤倉大の新作も初演される。Hakuju Hallは18年に藤倉の室内楽の大規模な個展を開催、アマービレも出演しており、そこで醸成された信頼関係が実を結ぶ機会ともなろう。プレイヤーの限界を攻めた藤倉の“あてがき”には毎回ワクワクさせられるが、今回はどんなアイディアが炸裂するか。魅力満載のコンサートだ。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2021年3月号より)

2021.4/13(火)19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp