【CD】Travelogue/宮田大&大萩康司

 チェロとギター。ありそうで、なかなか出会わぬ取り合わせ。その愉悦と可能性の広がりを、名手たちが教えてくれる。5年前に言葉を交わし、意気投合したという宮田大と大萩康司の初共演盤。ある時は情熱的に、またある時はクールに。2人の対話は、フレーズごとに色彩を変え、しなやかな収縮を伴い、まるで絵本のページをめくるかのよう。パリが香る楽曲が枠組みに据えられ、同地で学んだピアソラとともに海を渡り、収録曲中で唯一、この編成のために書かれたオリジナル作品である、ブラジルの作曲家ニャタリのソナタへ。タイトルの通り、聴く者を“対話による旅”へと誘う。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2021年2月号より)

【information】
CD『Travelogue/宮田大&大萩康司』

ルグラン(角田隆太編):キャラバンの到着/ニャタリ:チェロとギターのためのソナタ/ショパン(大萩康司編):チェロ・ソナタより
第3楽章/サティ(大萩/宮田大編):ジュ・トゥ・ヴ/ピアソラ:ブエノスアイレスの冬(角田編) 他

宮田大(チェロ)
大萩康司(ギター)

日本コロムビア
COCQ-85518 ¥3000+税