モーツァルトの光と闇を映すピアノ曲の傑作を
旬の俊英が紡ぐ、天才作曲家のエスプリに触れたい。研究者や愛好家が集う日本モーツァルト協会は、第617回の演奏会(例会)に、フランス音楽批評家協会の新人賞を受賞するなど、注目度が際立つ実力派ピアニスト、フランソワ・デュモンを迎えて、3つのソナタをはじめ、珠玉のピアノ作品を聴く。
弱冠14歳でパリ国立高等音楽院に入学し、ブルーノ・リグットに学んだ。イタリアのコモ湖国際ピアノアカデミーでさらに研鑽を重ね、ショパン国際ピアノコンクールをはじめ、数々の登竜門で入賞。リサイタルやオーケストラとの共演、室内楽にと国際的に活動。モーツァルトのソナタ全集はじめ、ラヴェルの全集や室内楽などの録音も高い評価を得ている。
今回のステージでは、ウィーン時代の初めに成立したソナタ ハ長調 K.330と同イ長調「トルコ行進曲付き」K.331という明るい陽光に満ちた一連の2作品を大枠に、パリ時代に母の死に耐えつつ作曲したイ短調 K.310、そして今度は父の死の直前にウィーンで書かれたロンド イ短調 K.511の悲痛な雰囲気を湛えた2曲を挟み込んだ滋味深いプログラムで臨む。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2020年3月号より)
*新型コロナウイルスの感染症の拡大防止の観点から、本公演は中止となりました。(2/28主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
https://www.mozart.or.jp/concert/1508/
2020.3/4(水)18:45 東京文化会館(小)
問:日本モーツァルト協会03-5467-0626
https://www.mozart.or.jp