東京フィルハーモニー交響楽団 第2回 渋谷の午後のコンサート。〈歌うヴァイオリン〉

名曲ありトークありのディライトフルなステージ


 在京オーケストラの中でも早くから平日昼間のコンサートを行い、多くの音楽ファンを開拓してきた東京フィルハーモニー交響楽団。2019/20シーズンは、平日および週末・休日における午後のコンサート枠をさらに拡大し、定期演奏会に匹敵する選曲と演奏でファンの注目を集めている。

 中でも新しくスタートした「渋谷の午後のコンサート。」は、東京フィルが響きを熟知しているであろうBunkamuraオーチャードホールを舞台に平日の午後を彩る、名曲オンパレードのシリーズ。第2回となる8月9日のコンサートには、2010年からの5年間、同オーケストラの常任指揮者を務め、現在は桂冠指揮者というポストにあるダン・エッティンガーが指揮台に登場。得意とするチャイコフスキーの「悲愴」交響曲ほかをドラマティックに聴かせてくれるはずだ。曲やオーケストラについてなど、マエストロがどんなトークを聞かせてくれるのかも楽しみである。

 さらにはゲストとして登場するヴァイオリニストの大谷康子が、「ツィゴイネルワイゼン」「チャールダーシュ」「G線上のアリア」ほかの名曲を華麗に披露。まさに〈歌うヴァイオリン〉というコンサートのタイトルそのままに、祝祭的な雰囲気を演出してくれる。オペラを得意とする東京フィルとの共演により、旋律美がホールを満たすに違いない。

 気軽にクラシックを楽しみたい方にも、心からお薦めできるプログラムだ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2019年8月号より)

2019.8/9(金)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522 
https://www.tpo.or.jp/