光輝で高貴な新型ブラス、初見参!
これは金管アンサンブルのイメージを超えた“金管楽器による室内楽”である。6月に初登場する「セプトゥーラ」は、それほど音楽的なクオリティが高い。彼らは2012年に創設された英国の金管七重奏団。トランペット3、トロンボーン3、テューバ1の編成で活動し、メンバーにはロンドン響、BBC響、ロイヤル・フィルの主力奏者等の腕利きが揃っている。従って最高度の技量と華やかな音色をもち、英国ブラスならではの“光輝な気品”に充ちた演奏を聴かせる。そして最大の特徴がクラシカルなテイスト。今回の演目でCDにも録音しているショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番やエルガーのセレナードなど、これまでにないレパートリーで精緻かつ濃密な快演を展開し、金管楽器の壮麗さも堪能させつつ、曲の魅力を再発見させる。典雅なヘンデル、ノーブルなエルガー、シリアスなショスタコーヴィチに愉しいガーシュウィン等を加えたプログラムは唯一無二。ブラス界や室内楽界に新たな形をもたらす当アンサンブル、ブラスファン以外にも、ぜひお勧めしたい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2019年6月号より)
20019.6/18(火)19:00 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ(小)
問:京都コンサートホール075-711-3231
プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp/