第10回 ショパン・フェスティバル2019 in 表参道

アニバーサリーイヤーを彩る多様なショパン、そして日本の作品


 2019年は日本とポーランドの国交樹立100周年となる。ポーランドの国民的作曲家ショパンを中心としたリサイタルを軸に、両国作曲家の小品の紹介、そしてショパンに関するレクチャーまで、多彩な内容を盛り込んだ「ショパン・フェスティバル2019 in 表参道」が5月27日から6月1日まで開催される。「ランチタイム」と「イブニング」で毎日計2公演が行われるが、その幅広いラインナップには目を見張る。

 昼公演には音大在学生など今後が期待される若手のほか、特別ゲストとして16年ポーランド全国ショパンコンクールの覇者カミル・パホレツが登場する(6/1)。そして夜公演には日本を代表するピアニストたちが華麗な饗宴を繰り広げる。ベテランの田崎悦子のリサイタルでは、ショパンと池辺晋一郎作品などが選曲された(5/27)。アンサンブル・ピアニストとしても活躍中の須関裕子がパデレフスキ、三瀬和朗などを組み合わせた演奏を予定している(5/29)。オーケストラ共演でも人気の外山啓介はショパンに武満徹、パデレフスキ、バッハを加えたプログラムを組んだ(5/30)。現在、ショパンをより深く理解するには、当時の楽器を知り、演奏に活かしていくことが必要になってくる。昨年ポーランドで開催されたショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位に輝いた川口成彦が、プレイエル・ピアノで、ショパン、滝廉太郎などを弾くのも大注目だ(5/31)。ショパン・インスティテュート所長のアルトゥル・シュクレネルによる講演では、汎世界的なショパンの芸術とポーランド的特性について興味深い話を聞けることだろう(6/1)。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2019年3月号より)

2019.5/27(月)〜6/1(土) ランチタイムコンサート12:00 イブニングコンサート18:30
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」 
2019.3/1(金)発売
問:日本ショパン協会03-6718-4239/カワイ音楽振興会03-6718-4199
http://chopin-society-japan.com/