がんばろう日本! スーパーオーケストラ 毎日希望奨学金 チャリティーコンサート

復興への想いを込めて〜今年もクラシック・エイド開催!


 精鋭が集結した“夢の楽団”が再び、未来への希望を響かせる――。東日本大震災で被災し、学業の継続が困難になった子どもたちの支援を続けている「がんばろう日本! スーパーオーケストラ」。全国の一線楽団で活躍する首席級の名手たちが毎春、巨匠指揮者や世界的ソリストと共に名演を繰り広げている。

 若手演奏家の支援や、生演奏に触れる機会が少ない人を対象としたチャリティ活動を続けている、NPO法人「クウォーター・グッド・オフィス」が企画。東日本大震災が発生した直後の2011年5月にスタート。以降は原則として毎年3月に開催、演奏会の収益や募金箱に寄せられた募金を、震災遺児を対象とする「毎日希望奨学金」へ託している。

 熱い思いを込めたステージは、9回目に。指揮には、この企画の発起人の一人であり、過去3回の公演でもタクトを振った名匠・高関健が登場。ソリストには、16年に上海アイザック・スターン国際ヴァイオリン・コンクールで優勝するなど、国際的に注目を集める才媛・木嶋真優を迎える。

 今回のプログラムは、特に復興への強い願いを反映。幕開けのブラームス「悲劇的序曲」の重苦しさを、木嶋が渾身の熱演で紡ぐ同「ヴァイオリン協奏曲」の深い瞑想や力強さが払拭してゆく。そして、ドヴォルザーク「交響曲第8番」の夜明けを思わせる第1楽章や、固い決意を含蓄した第2楽章、憂愁の第3楽章、そして、エネルギーが爆発するような終楽章。8年を経た被災地の“いま”が重なるはずだ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年2月号より)

2019.3/1(金)19:00 サントリーホール
問 毎日新聞社事業本部03-3212-0804/テンポプリモ03-3524-1221
https://www.npo-qgo.org/2019superorchestra/