【SACD】ハイドン:交響曲集 Vol.4 /飯森範親&日本センチュリー響

 飯森範親&日本センチュリー響のハイドン第4弾。初期の交響曲集の中で、エステルハージ宮廷の副楽長就任を記念した第7番「昼」が素敵だ。楽団の優秀なソリストを使っての協奏的な作品に、センチュリーの実力が存分に発揮される。荒井英治のヴァイオリンは至る所で清潔な輝きを放ち、メヌエットのユーモラスなコントラバスや終楽章のキレのいいフルートなど実に楽しい。少し前の交響曲第19番と第27番は、凝った転調や爽やかな抒情、ウィットの萌芽、スピード感といった若きハイドンの覇気を感じさせる。第58番は強弱対比や生き生きとした推進力にその後の充実ぶりを窺わせる。
文:横原千史
(ぶらあぼ2018年8月号より)

【information】
SACD『ハイドン:交響曲集 Vol.4/飯森範親&日本センチュリー響』

ハイドン:交響曲第7番「昼」・第58番・第19番・第27番

飯森範親(指揮)
日本センチュリー交響楽団

収録:2016年6月&8月、いずみホール(ライヴ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00667 ¥3200+税