第474回 日経ミューズサロン エマニュエル・セイソン ハープ・ソロ・リサイタル

当代随一のハーピストが描く彩り豊かな音の風景


 力強く、卓越した技巧で、ハープに対する従来のイメージを次々に塗り替えているのがフランス出身のエマニュエル・セイソン。名門・メトロポリタン歌劇場(MET)の首席奏者も務める名手が日経ミューズサロンのステージに降り立ち、その圧倒的なパフォーマンスの全容が明らかになる。
 リヨン高等音楽院に学び、2009年にはミュンヘン国際コンクールで、ハーピストとして初優勝。その大胆なプレイぶりで、ジャン・コクトーの小説になぞらえ、「ハープ界の“恐るべき子供”」と評された。06年からパリ国立歌劇場、15年からはMETで首席奏者を務める一方、ロンドン王立音楽アカデミー客員教授を歴任するなど、後進の育成にも尽力している。
 今回は、バロックから近代に至る、多彩な楽曲を用意。バッハ「フランス組曲第3番」やドビュッシー「ベルガマスク組曲」など、鍵盤楽器のための傑作からの編曲を。また、グリンカ「ひばり」など“鳥”にまつわる作品を集め、聴き手を自然の中へと誘う。もちろん、トゥルニエ「森の泉のほとりにて」、ルニエ「幻想的バラード」など、ハープのためのオリジナル楽曲も、たっぷりと披露する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年7月号より)

2018.7/2(月)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5281-8067
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