柴田智子(ソプラノ) RECITAL “LIFE” NEW YORK CLASSICS with 内門卓也

アメリカと武満、そしてライフストーリーを歌う


 NY在住の経験も長く、アメリカ音楽の魅力を伝える第一人者である柴田智子。クラシックというジャンルを超えてポップス曲やミュージカル・ナンバーなどにも新たな生命を吹き込む、クロスオーバー・シンガーの草分けとしても知られる練達のソプラノだ。その活動は多岐にわたり、2016年12月に出版した初の著書『年齢を重ねるほど幸せになる生き方』も女性を中心に支持を集めている。
 そんな彼女のモットーである「“今を生きる喜び”を音楽で世界に発信」を体現するようなリサイタルが7月に江東区の豊洲シビックセンターホールにて開催される。プログラムは、先ず昨年Hakuju Hallでのスペシャルコンサート・シリーズ第2弾でも好評を博したジョージ・ガーシュウィンの作品から、オペラ《ポーギーとベス》の有名な〈サマータイム〉などを。ガーシュウィンより5歳上のダグラス・ムーアが西部開拓時代の史実を素材に1956年に書き上げたオペラ《ベイビー・ドウのバラード》からの〈シルバー・アリア〉など彼女らしい選曲もあり、武満徹による3つの佳曲〈めぐり逢い〉〈小さな空〉〈死んだ男の残したものは〉が歌われるのも聴きどころ。
 注目はリサイタルのピアノ演奏も務めるコンポーザー・ピアニスト内門卓也との共作による連作歌曲「LIFE」。幼少期を過ごした東京・青山を歌った〈Aoyama〉をはじめ1960〜80年代前半までの彼女のライフストーリーを描いた5曲が初披露されるとか。ナビゲーターは音楽ジャーナリストの林田直樹。ポジティブなエナジーをいっぱい貰えそうだ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ 2017年6月号から)

7/8(土)19:00 豊洲シビックセンターホール
問 タッシ・アーツ03-5272-1370 
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