第462回日経ミューズサロン チャールズ・ナイディック(クラリネット)

独自の選曲で聴く達人の至芸

©Kevin Hatt
 しなやかな美音と卓越した技巧で、「もはやクラリネット奏者の域を超えている」とまで形容されるアメリカの名手、チャールズ・ナイディック。日経ミューズサロンのステージに登場し、自作を含めた近現代の佳品の数々を、たっぷりと聴かせてくれる。
 7歳で父親からクラリネットの手ほどきを受け、イェール大学で文化人類学を修めた才人。1982年に“最難関”で知られるARDミュンヘン国際コンクールで最高位入賞を果たした。現在は世界的ソリストとして、国内外の一線楽団と共演。歴史的クラリネットの遣い手としても知られ、ピリオド管楽器アンサンブル「モッツァフィアット」を創設した。
 今回は、妻のクラリネット奏者・大島文子(あやこ)の姉でもあるピアニストの大島直子と共演。コープランドとプロコフィエフ、2つの名ソナタにベルク「4つの小品」を。さらに、本邦初演となる自作「スケルツィーノ」を披露。さらに、文子を迎え、これも自作となる「2本のクラリネットのためのテンペスト」を、阿吽の呼吸で演奏する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2017年7月号より)

2017.7/10(月)18:30 日経ホール
問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.com/