知的でクリエイティブな奏者によるフレンチ・プログラム
通常の演奏会より遅めの19時半開演、トークをはさむ親しみやすいスタイルでありつつ、クラシックファンも大満足の充実した内容で人気の、文京シビックホール『夜クラシック』。Vol.13には、クラリネットの吉田誠とピアノの福間洸太朗が登場する。
共演は昨年以来2度目。吉田が「クラリネットのデュオ作品はピアノも内容が濃いので、絶対いいピアニストと演奏したい」と福間に声をかけたことで実現に至ったそう。
オープニングテーマ曲の「月の光」に続くプログラムとして、ともにパリ国立高等音楽院留学経験のある二人が選んだのは、フランスにかかわりのある作品たち。それぞれのソロも楽しみだが、特に期待が膨らむのはデュオの演奏。独特の色彩があふれるサン=サーンスのクラリネット・ソナタ、舞曲的要素の強いミヨーの「協奏的二重奏曲」や武満徹の「ワルツ」など、それぞれで鋭敏な感性を発揮してくれるだろう。刺激を与えあう知的でクリエイティブな二人の共演、お聴き逃しなく。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ 2017年4月号から)
6/30(金)19:30 文京シビックホール
問:シビックチケット03-5803-1111
http://bunkyocivichall.jp/