10月、Bunkamuraオーチャードホールを皮切りに、愛知県芸術劇場、北九州芸術劇場で上演される『sutra スートラ』の記者会見が8月29日、東京都内で行われた。会見には、海外公演で主役を務めたアリ・タベ、嵩山少林寺僧侶ファン・ジャハオとグアン・ティンドン、来日公演PRアンバサダーを務めるEXILE・三代目 J Soul BrothersパフォーマーのNAOTOが登壇。作品の魅力を語るとともに、僧侶2人によるパフォーマンスも披露された。
(2016.8.29 セルリアンタワー東急ホテル Photo&Movie:J.Otsuka/Tokyo MDE)
「sutra」は仏教用語で「経典」の意味。本作は、中国政府から仏教の重要拠点として唯一指定を受ける嵩山少林寺で鍛え抜かれた現役僧侶19名による群舞とアクロバットに加え、躍動感あふれるライブ演奏、現代美術の巨匠、彫刻家アントニー・ゴームリーによる舞台美術などが特徴の舞台。2009年の初演以来、世界60都市で上演され、今回が日本初演となる。
パリ・オペラ座バレエ団『ボレロ』の振付や森山未來出演『テヅカ』(12年)、『プルートゥ』(15年)などの演出・振付を手がけ、日本でも人気を誇る演出家・舞踊家のシディ・ラルビ・シェルカウイが演出・振付を担当する。少林寺に2か月間滞在し、厳しい修行を続ける現役僧侶たちとともに、国や文化の違いを超えて創り上げた。来日公演ではダンサーとしても登場する。
海外公演で初演から主役を務めてきたアリ・タベは、「演者の人格をステージ上で明らかにしていくことができる人」と、10年間仕事を共にしてきたシェルカウイの魅力を語る。
また、少林寺僧侶との共演については、「話す言語が異なり最初は大変だったが、“身体と動き”という共通言語を得て、次第にアイディアを提案し合うことができるようになった。大事なことはお互いに無理強いしないということ。例えば少林寺の皆さんにコンテンポラリーダンスを押しつけない。ただただ私たちが皆さんの文化に対して好奇心をもち、交流したいということを素直に伝えていった」と振り返る。
本作について、僧侶のリーダーを務めるファン・ジャハオは、「歩く、座る、寝るといった少林寺武僧の生活様式、日常がパフォーマンスに含まれている。また、パフォーマンスだけでなく、西洋と中国の文化交流や伝承という側面もある。皆さんに私たちの文化を見せられるのでとても嬉しい」と語る。また、グアン・ティンドンは「見どころは全て。最もよいステージをみせられるようコンディションを整え、また観たいと思っていただける舞台を披露したい」と意気込みを語った。
また同作を映像で見たというNAOTOは、「僧侶たちが己の肉体を一番の武器にして、その限界に挑戦している姿は力強く美しい。普段の生活習慣や精神など自分を律し修行されているのが、一つひとつの動きに現れている。演出がドラマティックで、どこを切り取っても印象的な舞台。自然と『スートラ』の世界観に入り込めた」と魅力を語った。
【動画】僧侶によるパフォーマンス
『sutra スートラ』
演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
舞台美術:アントニー・ゴームリー
音楽:サイモン・ブルゾスカ
出演:シディ・ラルビ・シェルカゥイ、少林寺武僧、弦楽・パーカッションアンサンブル
10/1(土)14:00、19:00、10/2(日)13:00 Bunkamuraオーチャードホール
問 パルコ03-3477-5858
10/5(水)18:45 愛知県芸術劇場
問 中京テレビ事業052-957-3333
10/8(土)14:00 北九州芸術劇場
問 北九州芸術劇場093-562-2655
http://www.parco-play.com/web/program/sutra2016
*東京公演10/1(土)19時公演終了後には、来日公演PRアンバサダーを務める俳優・ダンサーの森山未來とシェルカウイによるスペシャル・アフタートークが予定されている。