勅使川原がシュルツを題材に新作を発表
両国・シアターXを舞台に、勅使川原三郎率いるKARASが連続公演を行う。『ある晴れた日に』は、ポーランドの作家ブルーノ・シュルツの短編から得た着想のもと、過去3年間で7作にわたり発表してきた、シュルツ・シリーズの最新作。本作は、シュルツの芸術をリスペクトしていたというポーランドを代表する演出家タデウシュ・カントルにも深く関連し、言葉と身体の関係性により鋭く切り込んでいく。今年12月の日本公演に先駆け、10月にポーランドのカンパニー、アマレヤシアターと共に現地でクリエイションを実施。勅使川原三郎、佐東利穂子のほか、キャストにアマレヤシアターのダンサーを迎え、新たな風を送り込む。初演は10月29日、ポーランド・グダンスクのシェイクスピア劇場にて。続いて11月にクラコフのカントール記念館内ホール・クリコテカで上演を行い、シアターXでの日本初演を行う。
一方、『ゴドーを待ちながら』は、勅使川原及びKARASが拠点とする荻窪「カラス・アパラタス」で開催されているアップデイトダンスシリーズの一環として、今年6月に初演を迎えた話題作。サミュエル・ベケットの金字塔といわれる同名戯曲を勅使川原のひとり語りにより描き出し、その独創的なステージで大きな反響を読んだのは記憶に新しいところである。今回は“シアターX版”として改訂・再演。作中は勅使川原によるオリジナルテキストを用い、自らの身体を通しベケットの不条理世界を改めて浮き彫りにする。
文:小野寺悦子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)
『ある晴れた日に』(新作) 12/3(木)〜12/6(日)
『ゴドーを待ちながら』 12/10(木)〜12/14(月)
シアターX(カイ)
問:KARAS 03-3682-7441
http://www.st-karas.com