おもにソリストとして活躍する気鋭のヴァイオリニストによる、2024年のバッハ作品に続く無伴奏の聖典第2弾。ここでは、凛とした美音によって力感とニュアンス豊かな演奏が展開されている。第1番の出だしから入魂の気概が感じられるし、第2番で際立つ「怒りの日」のいつになく明確な表出も印象的。第3番以降の陰影に富んだ表現や、第4番をはじめとする速い部分の鮮やかさも光り、一貫したハイテンションのトーンの中で、各曲の特性が緻密に描き分けられていく。リアルかつナチュラルな録音も大いに貢献。全曲が聴きものといえる入魂の力作の登場だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2026年8月号より)
【information】
CD『イザイ: 6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ/髙木凜々子』
イザイ:6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
髙木凜々子(ヴァイオリン)
R-Resonance
RRSC-20016 ¥3300(税込)

柴田克彦 Katsuhiko Shibata
福岡県生まれ。音楽マネージメント勤務を経て、フリーの音楽ライター・評論家&編集者となる。雑誌、コンサート・プログラム、Web、宣伝媒体、CDブックレットへの、取材・紹介記事や曲目解説等の寄稿、プログラム等の編集業務を行うほか、講演や講座も受け持つなど、幅広く活動中。著書に『山本直純と小澤征爾』(朝日新書)、 『1曲1分でわかる! 吹奏楽編曲されているクラシック名曲集』(音楽之友社)。



