ウィーン少年合唱団2026 来日記者会見

今年も、ウィーン少年合唱団が来日。ツアーに向けて、都内で会見が行われた。
会見には、駐日オーストリア共和国大使のシグリッド・ベルカ、ウィーン少年合唱団 団長のエーリッヒ・アルトホルト、同合唱団のツアーグループの1つで今回来日したブルックナー組(日本人1名を含む23名)と、カペルマイスターのマノロ・カニンらが登壇した。ツアーは全国19都市、全31公演を実施予定。初日公演では、ウィーン少年合唱団のために藤倉大が書き下ろした「Moon Boat(月の舟)」(住友生命保険相互会社とジャパン・アーツの共同委嘱作品)が世界初演されることもあり、注目が集まる。
1498年に設立された同合唱団は、今年で創立525年以上の歴史を持つ名門。その響きは「天使の歌声」と称され、音楽大使として世界を魅了してきた。2026年は同合唱団が初のコンサート・ツアーを行ってから100周年にあたり、今回のツアーは節目の年に行う重要なものとなる。公演は、オーストリアの伝統曲から現代ポップスまでを網羅したAプログラム「“Made in Austria”~ウィーンの風にのせて~」と、ディズニーやミュージカルの名曲を集めたBプログラム「“World Hits”~音楽でめぐる世界旅行~」の2種。全公演に、世界的に活躍する作曲家 藤倉大の「Moon Boat」がプログラムされている。宮沢賢治や中原中也、万葉集などから歌詞の着想を得た意欲作で、日本人作曲家による日本語の合唱曲が、同合唱団のために書き下ろされるのは、500年以上の歴史の中で初めてのことだ。作曲者の藤倉からのビデオメッセージも公開され「日本語の歌詞でというリクエストを受け、自分の音楽に合う言葉を探し、カペルマイスターの方とやり取りを重ねて一番良い形に仕上げた」とした。
新作について、同合唱団ブルックナー組に所属する唯一の日本人テンプウくんは「日本人として誇らしいと思いますし、やっぱりすごいなって」と元気よく答えた。また、同じく団員のラファエルくんは作品の印象について、「ノスタルジックな響きと、混ざり合うハーモニーの情緒的なところが気に入っている」という。


また会見では、各地で戦争が起こる今の時代にどのように平和への思いを込めて歌いたいかを問われ、カペルマイスターのマノロ・カニンが新曲について触れながら、ツアーへの思いを語った。
「今回の公演には『Moon Boat』があります。この曲は音楽的に素晴らしいものを持っているだけでなく、その歌詞から自然回帰への移行のようなメッセージが感じられます。自然や希望、夢をこの世に届けるような歌詞からは、非常に哲学的な印象を受けました。星や月があり、夜が来て、日のさす日中もある。そのような、生命の源を伝える歌詞だとも、私たちは解釈しています。愛情を持って、そして常にポジティブでいてほしいという藤倉先生の思いが伝わってくるような歌唱をしたい。世界平和へ貢献ができるような、そういう思いを届けられたらと願ってやみません」

ツアー中には、歌詞の着想源となった宮沢賢治ゆかりの地、岩手県花巻市の宮沢賢治記念館をブルックナー組が訪問するイベントも予定されている。会見の最後には、「Moon Boat」のフルバージョンが披露され、合唱団による美しい日本語の響きが会場を包んだ。
注目の新曲を携えて、初夏の日本に今年も、澄み渡る「天使の歌声」が広がる。

取材・文:編集部
ウィーン少年合唱団
20262026.5/2(土)~6/21(日)
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212
https://www.japanarts.co.jp/special/wsk/
※プログラムは公演により異なります。全国ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。
