
長く休館していた新宿文化センターが約2年間の改修工事を終え、10月1日に施設を再開した。
新宿6丁目に建つ新宿区立のこのセンターには、新宿地域では貴重な大ホールがあり、休館前にはクラシックを中心にさまざまな公演で親しまれていた。パイプオルガンをもち、オペラやバレエなどの舞台上演も可能な多目的ホールであるだけに、再開後はいっそうの人気を集めることになるだろう。
再開場を記念して、12月6日にはリニューアル・オープニングコンサートが行われる。

大井剛史指揮の東京フィルハーモニー交響楽団によるチャイコフスキーの歌劇《エフゲニー・オネーギン》の「ポロネーズ」で幕をあけると、日本オペラ振興会の4人の歌手、相樂和子(ソプラノ)、城守香(メゾソプラノ)、海道弘昭(テノール)、森口賢二(バリトン)が、ヴェルディの《椿姫》とビゼーの《カルメン》に加えて、渡辺俊幸の《ニングル》、團伊玖磨の《夕鶴》からの名アリアを披露する。ここは日本オペラのメッカでもあるのだ。
続いて、日本オペラ振興会同様にこのホールと縁の深い、松山バレエ団が登場。バレエ界のレジェンド森下洋子とプリンシパルの大谷真郷を中心に、塩沢美香はじめ松山バレエ団一同で、ドリーブの名作『コッペリア』からの舞を華やかに贈る。
さまざまなジャンルの公演で賑わう新宿文化センターにふさわしい、オーケストラ、オペラ、バレエの豪華な盛り合わせに、再開の喜びを堪能しよう。
文:山崎浩太郎
(ぶらあぼ2025年11月号より)
新宿文化センター リニューアル・オープニングコンサート
2025.12/6(土)16:00 新宿文化センター
問:新宿文化センター03-3350-1141
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/bunka-center/

山崎浩太郎 Kotaro Yamazaki
1963年東京生まれ。演奏家の活動と録音をその生涯や同時代の社会状況において捉えなおし、歴史物語として説く「演奏史譚」を専門とする。著書は『演奏史譚1954/55』『クラシック・ヒストリカル108』(以上アルファベータ)、片山杜秀さんとの『平成音楽史』(アルテスパブリッシング)ほか。
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