一日にラヴェルの魅力を凝縮
国際的な活動の一方、後進の指導にも力を注ぎ、自身で楽譜校訂も手掛けるなど、多才を発揮する実力派ピアニストの菊地裕介が、ラヴェルのピアノソロのための全作品を1日で弾き切る意欲的なリサイタルを開く。1994年に日本音楽コンクールで第2位となり、渡欧してパリ国立高等音楽院やハノーファー音大に学んだ菊地。マリア・カナルスやポルト、プーランクの各コンクールで優勝。帰国後も、2010年にはシューマン「ダヴィッド同盟舞曲集」の録音を発表すると同時に校訂譜も出版、同年からはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲の録音に取り組み、翌年には2日で全曲演奏するプロジェクトも完遂した。
今回のステージでは、「古風なメヌエット」「亡き王女のためのパヴァーヌ」など小品から、「鏡」「夜のガスパール」「クープランの墓」など技巧的な組曲まで、多彩な魅力に溢れる全12曲を一気に披露。「全曲を1日で聴くコンサートは滅多に開催されず、充実した機会になるでしょう」と菊地は語っている。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)
5/17(日)13:00 東京文化会館(小)
5/24(日)14:00 音楽サロン A・PIACERE in 豊田
問:アルペンミュージックオフィス03-5739-1663
http://www.alpenmusic.com