日本&ウクライナの名歌手を傑作アリアで聴き比べ
毎年恒例となっている大阪ザ・シンフォニーホールのジルべスター&ニューイヤーコンサート。今年は1834年創設の名門・ウクライナ国立歌劇場管弦楽団が登場。指揮は、同歌劇場の音楽監督でウクライナの楽壇を牽引するミコラ・ジャジューラが務める。未だ戦禍が続くウクライナだが、こうして遠く日本にまでその芸術を届けてくれるのは感謝しかない。
プログラムには、ビゼー《カルメン》、プッチーニ《ラ・ボエーム》《ジャンニ・スキッキ》、オッフェンバック《ホフマン物語》、ヴェルディ《ドン・カルロ》などのオペラ・アリアが満載。歌うのは、同じくウクライナを代表するソプラノのリリア・グレヴツォヴァとメゾソプラノのアンジェリーナ・シヴァチカ。そしてスペシャル・ゲストに迎えるのは日本を代表するテノールの錦織健。大人気のオペラ・アリアを聴かせてくれる。
もちろん、年末年始には欠かせないヨハン・シュトラウス作品もある。さらに、シベリウスの交響詩「フィンランディア」をラストに置き、充実したオーケストラの響きの中で新しい年の幕開けを祝おうという趣向も心憎い。ザ・シンフォニーホールといえば、豊かな音響と上品でオシャレな内装がいつも心を湧き立たせてくれる。色々あった2024年だが、音楽は心を癒し、励ましてくれる。ぜひ、ザ・シンフォニーホールで特別な2日間を過ごしてみてはいかがだろうか。
文・室田尚子
2024.12/31(火)16:00 大阪/ザ・シンフォニーホール
出演
ミコラ・ジャジューラ(指揮)
錦織健(スペシャルゲスト/テノール)☆
リリア・グレヴツォヴァ(ソプラノ)〇
アンジェリーナ・シヴァチカ(メゾソプラノ)◎
ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
プログラム
ビゼー:組曲「アルルの女」より〈ファランドール〉
ビゼー:歌劇《カルメン》第1幕への前奏曲、〈ハバネラ(恋は野の鳥)〉◎
プッチーニ:歌劇《トスカ》より〈妙なる調和〉☆
プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》より〈私の名はミミ〉〇
オッフェンバック:歌劇《ホフマン物語》より〈ホフマンの舟唄〉〇◎
マスカーニ:歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲
プッチーニ:歌劇《トゥーランドット》より〈誰も寝てはならぬ〉☆
モーツァルト:歌劇《魔笛》序曲、〈なんと美しい絵姿〉☆
ヴェルディ:歌劇《ドン・カルロ》より〈むごい運命〉◎
プッチーニ:歌劇《ジャンニ・スキッキ》より〈私のお父さん〉〇
スコリク:メロディー
J.シュトラウスII世:喜歌劇《こうもり》序曲〇
サルトリ:タイム・トゥ・セイ・グッバイ(君と旅立とう)☆〇
シベリウス:交響詩「フィンランディア」
2025.1/1(水)15:00 大阪/ザ・シンフォニーホール
出演
ミコラ・ジャジューラ(指揮)
錦織健(スペシャルゲスト/テノール)☆
リリア・グレヴツォヴァ(ソプラノ)〇
アンジェリーナ・シヴァチカ(メゾソプラノ)◎
ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
プログラム
J.シュトラウスII世:喜歌劇《こうもり》序曲
プッチーニ:歌劇《ジャンニ・スキッキ》より〈私のお父さん〉〇
ビゼー:歌劇《カルメン》より〈ハバネラ(恋は野の鳥)〉◎
レハール:喜歌劇《微笑みの国》より〈君は我が心の全て〉☆
J.シュトラウスII世:ワルツ「ウィーン気質」
マスカーニ:歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲
プッチーニ:歌劇《トゥーランドット》より〈誰も寝てはならぬ〉☆
J.シュトラウスII世:ワルツ「美しく青きドナウ」
オッフェンバック:歌劇《ホフマン物語》より〈ホフマンの舟唄〉〇◎
スコリク:メロディー
モーツァルト:歌劇《魔笛》より〈なんと美しい絵姿〉☆
J.シュトラウスII世:ポルカ「雷鳴と稲妻」
プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》より〈私が街を歩くと(ムゼッタのワルツ)〉〇
サルトリ:タイム・トゥ・セイ・グッバイ(君と旅立とう)☆〇
シベリウス:交響詩「フィンランディア」
問:ザ・シンフォニー チケットセンター06-6453-2333
https://www.symphonyhall.jp