実力者ひしめく若手ピアニストのなかでも注目株の一人、小井土文哉さんに先日インタビューしました。この日は、留学中のイタリアから帰ってきたばかり。意外にも、『ぶらあぼ』がお話を伺うのは初めてです。
小井土さんは岩手県釜石市の出身。三陸沿岸の親元を離れて、内陸の盛岡の高校への進学を控えていた中学3年の3月に、東日本大震災が発生。幸い家族や住んでいた自宅は無事だったものの、その時目の当たりにした光景、さまざまな経験は、ピアニストとなったその後の人生にも大きな影響を及ぼしているといいます。震災後、しばらくピアノから離れた時期もあったものの、ふたたびピアノと向き合い、桐朋学園大学に進学。やがて日本音楽コンクールやイギリスのヘイスティングス国際ピアノ協奏曲コンクールで優勝するなど、その後の活躍はご存知の方も多いと思います。
インタビューの内容は、年明け1月22日、高崎芸術劇場 芸術監督の大友直人さんプロデュースによる同芸術劇場でのリサイタルについて。プログラムは、フランクやフォーレ、スクリャービンのソナタ第3番、シューマンのソナタ第1番という、なかなかディープな雰囲気のセレクション。1曲ごとに並々ならぬ思い入れがあるようで、熱い想いを語ってくれました。インタビューの詳細は、ぶらあぼ1月号に掲載予定です。
岩手県人にはやっぱりこの話題を振らねばと、インタビューの終わりに編集部が「オオタニサンと世代近いですよね?」とお聞きしたところ、小井土さんが高校1年のとき(当時はまだピアニストになるつもりは全くなく、バスケ部に所属していたそう)、県内では有名なスポーツ用品店に買い物に行った際に、花巻東高校時代の大谷翔平選手に遭遇したことがあるとか! 1学年違いだったそうですが、「当時からめちゃくちゃ背が大きかったですよ!」とのこと。
何とも幅広い人材を輩出する岩手県! 12月には盛岡で凱旋公演も予定されています。こちらもぜひご注目ください!
文・写真:編集部
【Information】
高崎芸術劇場 大友直人Presents T-Shot シリーズ vol.15
小井土文哉 ピアノ・リサイタル
2025.1/22(水)13:30 高崎芸術劇場 音楽ホール
フランク:前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調 op.18
フォーレ:ノクターン 第6番 変ニ長調 op.63
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第3番 嬰ヘ短調 op.23
シューマン:ピアノ・ソナタ 第1番 嬰ヘ短調 op.11
〈その他の公演〉
リニアクラシックコンサートシリーズ 小井土文哉 ピアノ・リサイタル
2024.11/30(土)14:00 名古屋/電気文化会館 ザ・コンサートホール
小井土文哉リサイタルシリーズVol.2
小井土文哉ピアノリサイタル
2024.12/14(土)14:00 トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)
transit Vol.18 小井土文哉
2025.2/2(日)14:00 王子ホール