チェロの名曲を優しいトークと共に
本物の演奏とわかりやすい切り口で、クラシックをもっと身近に。開館以来、このコンセプトを貫いてきた第一生命ホールに、魅力的なシリーズがまたひとつ加わる。音楽ライター・山野雄大がナビゲートする『雄大と行く 昼の音楽さんぽ』だ。
注目の第1回には、日本を代表するチェリスト・藤原真理が登場。『春、咲き誇るチェロ』と題した約90分の公演を行う。プログラムは、カサド「親愛の言葉」、シューマン「アダージョとアレグロ」、J.S.バッハ「無伴奏組曲第1番」など。いずれもチェロの豊かな響きを味わうのに打ってつけの名曲だ。共演ピアニストは藤原の信頼が篤い倉戸テルが務める。そして今回は、モーツァルトの《魔笛》を基にベートーヴェンが作曲した2つの変奏曲が並ぶのも聴きどころ。構築性の高い作風で、変奏曲の名手と謳われた彼の手腕がいかに優れていたか。一流の演奏による聴き比べは、それを鮮やかに示してくれることだろう。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年4月号から)
4/23(木)11:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
http://www.triton-arts.net