指揮者人生をふりかえり、デビュー公演を再現
名匠、秋山和慶が指揮者生活50周年を迎える。その50年間の集大成というべき記念演奏会が開催される。オーケストラは1964年2月にデビューを果たした東京交響楽団。ブラームスの交響曲第2番、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(独奏は神尾真由子)、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲というプログラムは、デビュー公演の再現だ。
秋山和慶は1941年生まれ。1963年に桐朋学園大学音楽学部を卒業した。この年オープンした日生劇場に、ロリン・マゼールとともにベルリン・ドイツ・オペラが招聘された。オペラ公演の合間にマゼールが東響の定期公演を指揮することになり、マゼールとの正式な練習の前に譜読みをしておこうということで、東響は当時22歳の秋山を指揮台に呼んだ。秋山の的確な指揮ぶりは楽員たちの信頼を獲得し、これがきっかけとなって、翌年に東響の指揮者となりデビュー・コンサートが開かれたという。
以後、秋山はアメリカ交響楽団、バンクーバー交響楽団、シラキュース交響楽団の音楽監督を歴任するなど国際的に活躍し、現在でも東響桂冠指揮者をはじめ、広島交響楽団音楽監督、九州交響楽団桂冠指揮者、中部フィルのアーティスティック・ディレクターを務めるなど、旺盛な活動が続いている。
今や名匠となったマエストロが、その原点を振り返る記念演奏会。一期一会の特別な機会となるだろう。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年1月号から)
2015.2/11(水・祝)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511
http://tokyosymphony.jp